施主は親戚の意見を重視したか、法要後の墓参は通常通りでした。
雨の状況としては降りはありましたがそれほど酷いものではありませんでしたからね。
一昨日は「場合によっては墓参はパス」を打診されていました。
少々の時間でしたが雨中の原の墓地は冷えました。
久し振りに「寒い」の語を。帰宅後は電気ストーブをONしたほどでした。
施主家は農家ですが以前は田んぼもあって米を作っていたそうです。ある時期に稲作を全廃して茶畑100%にしたそう。
借金までして新たに茶畑を購入、大々的に広げて来たそうですが、最近の茶葉暴落と御主人の大病によって将来の目論見は破綻してしまったと。
働き手としてかつ稼業を率先して引っ張っていた人の予期せぬ病とその無常、世の流れに翻弄されているのでした。
稲作を続けていれば・・・とこの米不足の世にあってよく言われるようになったようですがそれはそれでその継続は大変な労力と資金が必要ですからね。
生産者の苦労を知らない私ども消費者の勝手な思いはいろいろ好き放題に言いますが。
先日は檀家さんから「唐突なお願い」がありました。
「檀家さんにコメ農家があると思うが、何とか一俵ほど分けてもらえないか」というものでした。
未だかつてその手の依頼は聞いたことがありませんのでまずは絶句しましたが、申し訳ないことでしたがお断りするしかありませんでした。
拙寺の知り合いで大々的に稲作をしている農家が皆無ということと、それを手掛けていたとしても片手間で自宅用、親戚限定のモノですから。
驚かされた理由は、それほど「コメが無い」ということと、高額なコメは買えないほど困っている方がいるということ。
その方の実家は元はお寺です(今は廃寺に)。
先代の私の父が生前語っていましたが、土蔵には「米俵が常時積み重なっていて、コメなんて買ったことが無い」と。
きっとそういう状況をイメージしてコメの融通について連絡されてきたのでしょうね。
それは一昔前の寺(農地改革以前)には管理している田畑がある程度あり年貢として納められたコメに加えて、檀家さんからお布施としてコメを納めることがあったからですね。
しかしながら拙寺にはもはや田んぼは無し。
田沼意次が企図した「米本位から金本位」ではありませんが、今や米そのものに貨幣の意味は無くなってしまいました。
とはいえ今や、お金以上に価値があるのがお米。
価値の変遷とはいうものの翻弄されるのはいつの時代も人間、それも弱いところ、なのかも知れませんね。
扨、先月末の史蹟調査会の会合でもありましたが、学芸員長谷川氏の推測でも、大河ドラマでの田沼意次(渡辺謙氏)の出演は夏以降まで伸びそうだといいます。
私が先般の「春の法要」にて皆さんにお話した「GW前後が相良城破却」との予想は完全に外れた感がありますね。
私のその推測は昨年拙寺に来られた放送局のスタッフの言をそのまま皆さんに伝えただけでしたが、シナリオから見てもかなり渡辺謙氏を引っ張るような。
まぁそのようなシナリオは進行によって適宜書き換えられるものですからそれをもってタイミングを計ることはできません。
そして長谷川氏の推測では相良城破却についてはナレーションでおしまいになるかも・・・と。「ナレ死」なる語がありますが、まさにそれ。
それはただの一つの歴史事案、ストーリーの進行上、関係がないといえばそうですからね。
まぁインパクトある田沼意次政治の終焉として描かれることは間違いないとは思いますが。
ということは・・・相良城破却後の相良のスポットライトを期待しての境内盛り上がりの時節は盛夏の候ということで。
テントを設営して冷たい飲み物屋でも・・・やろう!!
それについてタイミング的に盂蘭盆会法要の世話人会(6月)で声をかけることができます。
画像は昨日奥方との最大テーマとなった場所、足場トップからの風景。久し振りに上がりましたが高い!!
江戸期ともなればこれ以上高い建物は不在だったでしょう。
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