藤枝から岸和田に行っちゃった阿弥陀さん 岡部町史

一昨日につづき気持ちいい好天、そしてより一層に温暖な日でした。

当地は風の有無によって冬の体感は雲泥の差、ここのところその風はなく、いたってすごしやすし。

こういった冬であるならばまったく嬉しい限りなのですがそううまいことははいきませんよねぇ・・・(期待しています)。

 

奥方が10時の茶菓を大工さんに出してから二人で藤枝市郷土博物館へ向かいました。

今週いっぱいで終了する企画展の拝観です。

駐車場にご門徒の布施氏の車両が停車しているのをお見受けしましたので、思い切りその車の縦列に駐車しましたが館内でご夫婦を見つけることはできませんでした。

きっと好天に誘われて蓮華寺池公園の散策とシャレこんでいたのかと。

 

館内は大雑把に岡部コーナーと朝比奈コーナーに分かれていました。

系図やら古文書やら各城郭のジオラマやら、見どころは豊富で解説文と多々ある解読文つきの古文書の展示は感服させられました。

展示物のうち博物館所有のものも数多くあり、さすが戦国期の有名どころを輩出した地ということもありますが、博物館とその諸学芸員の気の遠くなるような仕事量の多さと成果を感じ取れました。

 

こちらの企画展には幾度か足を運んでいる我らですが、難点としては「図録」の作成と頒布がナイということでしょうか。

毎度こういった場所に入る際は「これ以上図録を買うな」と奥方から釘を刺されますが私は「安心して・・・ココには無いから・・・」。

しかし私の如く物事の忘れっぽさ恥じ入るばかりの者としては展示物を拝見しても頭の中に記憶として残らないという不都合があります。

ストロボの影響を嫌うのでしょうが「カメラ禁」のマークがあります。写メくらいはいいのかとは思いましたが平日にもかかわらず多くの拝観者がいらっしゃる中、それをやったとしたら何より奥方に摘まみ出されてしまいます。

 

若い女性が解説版をメモしていましたが私にはとてもではありませんが、それを成す根性はありません。

だいたいあれだけの細かい字面を読んでいくのも厳しい。

やはり齢はとりたくない。

 

私が一番に印象に残った展示物といえば岡部氏の万福寺廃寺の阿弥陀如来。

天台宗から時宗に改宗した寺ですが例の廃仏毀釈の時代を通して荒廃し、この本尊だった阿弥陀如来は焼津の海蔵寺に移されてしまい、挙句大正期に岡部氏の子孫の手によって岸和田へと。

現状岸和田市教育委員会の所蔵品だそう。

 

岡部氏の出自はやはり南遠の横地・勝間田と同様藤原南家といい崇敬した宗旨は時宗(本尊阿弥陀如来)と合点がいくところですが、岡部氏子孫だからといってやすやすと寺から仏像を持ち出し、より思い入れがあったのでしょうが「岸和田へ」というのは腑に落ちませんね。

まぁ岸和田岡部八代目が田沼相良城の破却頭となって大いに働いたことへの反感もありますが。

 

解説文によれば仏像には傷みが露れ修繕の手を余儀なくされているそうですが、全三回の修繕があったことが確認されているとのこと。また当初は坐像ではなく立像だった可能性があると。

その阿弥陀さんは上記企画展リンク先ブログのポスターに大きくありました。

立像をわざわざ胴体をぶった切って坐像にするその意図とは・・・これも腑に落ちません。

 

静岡の秋野氏も私が帰路についたあたりに入館していたとのこと。こういった温暖な日には博物館参りはベストです。

私は午後からの都合がありましたので相良へ早々に戻りましたが秋野氏は焼津の博物館の企画展に寄ってからそちらまで来られたとのこと。パワー健在です。

 

画像最後の2つは「岡部町史」✖2。

立派な書籍を受付で頂戴しました。

 

帰り際、「外の陽光の下がイイ」と早めに出た奥方でしたが、その二冊を抱えて出てきた私に「また買ったのか、もう本はイラないと言っただろ・・・」のあきれ顔。

「受付で貰った」と主張するもまったく信じてもらえませんでした。

「お前が死んだら廃品回収だ」としかめっ面。

そんなものを「ハイど~ぞ という具合にくれることなどあり得ないだろ・・・それも博物館で」と。

貴方もどうぞ・・・と返すも「そんなもの・・・」と絶句していました。

 

このまさに博物館・図書館に似合う書籍2冊セットは限定ながら在庫分を配布していたよう。

秋野氏もその配布者リストに署名する際に私と大澤寺の名が目に入ったとのことで連絡して来られたのでした。

奇遇なことに奇遇が重なりました。

 

ゆっくりのんびり書籍を紐解いていこうかと。

しかし読むべき書物が溜まりすぎて・・・

 

①は蓮華寺池。⑤~⑧も同博物館脇。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    お祭り大好き (水曜日, 04 12月 2024 07:35)

    藤枝市郷土博物館の展示内容は、近隣の博物館のなかでは随一と再認識しました。 12/8日が最終日ですが、多くの方が訪れてほしいと願っています。 今回の展示でも、学芸員の努力の結晶を感じました。 唯一、高天神城麓に地元有志が建立した岡部正信の墓所が、漏れていたことが残念です。 歴史的価値は乏しいですが、武田・徳川両軍の勇士を祀った姿勢が大切と認識しています。 また、増善寺の今川氏親木像は、岡部常慶の寄進説もあります。 入口で公開中の若宮八幡宮の3年に一度の行事は、数回観賞していますので、そのほかの関連場所をあらためて訪れてみたいと思います。

  • #2

    今井一光 (水曜日, 04 12月 2024 18:56)

    ありがとうございます。
    博物館に人が集まるのは企画も興味をそそるものがありますが、何より立地の良さでしょうね。
    蓮華寺池公園は気軽に散策も楽しめて、池の畔というシチュエーションは気持ちも安らぎます。海にはない落ち着きがあって相良に住まう身ながら、博物館関係なしでも行きたくなってしまいます。