拙寺報恩講寺楽市は16日 翌17日は産業祭 S宗の危惧

昨日午前も法要がありましたが、お内陣でのお勤めは「暑い」を感じるほど。

朝のうちは深夜の雨の残りがありましたが暫くして青空が広がって「夏」のイメージが復活していました。

まぁラクだからいいか・・・

 

残念な件を。

本堂北側、拙寺では「坪ノ内」と呼んでいる場所のカキの木。

正体不明生物が屋根裏に上がる足場となっていたため、かなり枝払いをし、柿の実の成りは減少していました。

しかし今年は5~6個の大きめに実ったそれがありましたので一応は楽しみにしていました。

数日前、法事が終わったあと、収穫にと裏へ廻ると・・・一つも残っていませんでした。

以前もそちらに入り込んだ人が勝手に柿の実を取り去る現場を本堂から目撃したことがありましたが、再びヤラれましたね。

それへの執着はあまりなく、どうでもイイとは思いましたが人家敷地に入ってまで「よくやるよ・・・」。

まぁお気軽の心境でそれをやらかす人はこの地にもフツーにいるということで、やはり闇バイトに召集される短絡などが居たとしても不思議ではありませんね。

まぁ若い者はカキなどに興味はないでしょうが・・・

 

先日、某葬儀社の方としばし時間を持ちました。

この業界についてのいろいろ、聞きだして私の反省点を見出そうという機会ですが、「ほお・・・」という具合に考えさせられるところがありました。

その方は遠州ではなく駿州エリアの浄土真宗系寺院が殆ど無い地域が主たる活動域ですが、その区域のS宗を統括している法人代表名で、ある協力要請の文書が届いたとのこと。

S宗といえば静岡県内では檀家さん総数も寺院数もトップというのは承知している所ですが、その方が言うにはあきらかに「危機感を醸し出している」現れと。

 

先日来拙寺の「墓じまい」ラッシュの件を記していますがそれは何も拙寺だけのことではなく各宗派の寺院もその傾向にあることがわかります。

特にS宗は全体総数が多いだけに拙寺の将来的危うさ以上の焦燥感があるのではないでしょうか。

推測するにそれはただの墓じまいだけでなく+宗旨替えが絡んでいるとのこと。葬儀という一大イベントの前に・・・

 

その文書の内容を要約すれば、「S宗派寺院を離檀される家が増加している」が「是非とも最寄りのS宗派寺院を紹介して欲しい」といったもののようでした。

それは今、葬儀式を機会に檀家としてあった寺を離れる施主が増えているとのことでその傾向を少しでも制御し、できれば別の寺院への変更があったとしてもS宗にキープしておきたいとの趣旨のようです。

 

その方が仰るには「ことにコロナ禍以降その傾向は強く、施主家族から『どちらかいいとこ紹介してください』」的相談を受けることが多くなったと。

仕事上多方面多様のおつきあいがあるために軽々に「そのような紹介はできない」と断っているそうですが・・・暗に「拙寺での受け入れ」の可否について触れられていました。

その方は最大で拙寺の「4倍以上の費用」を覚悟しなくてはならない場合もあるとのことで不満の噴出が少なからずあると・・・

 

私は、既に檀家制度の崩壊は始まっていると常々思っています。そしてもうこの流れは止まらないような。

みなさん宗教においても「自由」であることを大いに認識しそれがいよいよ社会に浸透してきたということでしょうね。

またそれに伴い、主導は個人の意志ではあるものの、「よくわからない世界」というのが実情でとにかく「そのときの」手短なプロ、葬儀社の担当に相談をするといったところなのでしょう。

 

そのS宗の危惧は他宗へ檀家さんが流出するところだけは避けたいという意図があるのでしょうが、私はそこに違う業界の仁義なき戦いを連想しました。

携帯電話会社の顧客の取り合いです。

ドコモ、AU、ソフトバンク・・・などなど、「乗り換えキャンペーン」「今なら〇〇キャッシュバック」等ありとあらゆる手を変え品を変えの戦略と応戦。これからそのようなえげつない殴り合いにも似た闘争が始まるのか・・・生き残りのために・・・

 

その方が言っていました。

S宗のその書面にはその本質の無理解が漂ってくると。

何もしないで手をこまねいているよりいいというくらいの書面なのでしょうが、その本質とは葬儀の僧侶への謝礼についての疑問というのは言うまでもないと。

そして本音として「安ければ取りあえずどこでもイイ」の感覚が広がっているのだそう。宗旨など二の次三の次・・・

ということは「顧客」としては同じ宗派の選択など論外だということでしょうね。

よってその文書は的を射ていないということ。

 

首都圏ではS宗であっても価格破壊が始まっているそうですが

やはりその手の突飛な運営を手掛けようとすれば周囲の同宗派関係者との軋轢は深まりますね。生きづらくなります。

そして、他宗もここをチャンスとばかりに携帯電話会社ばりに「乗り換え」を助長するようなことはなかなか言いだせませんからね。

 

また先般、都内某社から「墓じまいの要望が多いので御遺骨の受け入れができないか?」との問い合わせがありました。

私自身仕事を控えていたことと、面倒なお話の様でしたので一旦お断りして「またね~」と電話を切らせていただきましたが・・・

 

その際、先方はまず「宗旨替えしなくちゃダメですか?」と仰っていました。

どちらかでも受けておられるような遺骨を宅配便で受け入れるなどは論外ですが納骨法要で宗旨に沿った経典を同座拝読していただきますから真宗門徒として受け入れすることは可能だとは言っておきました。

 

他宗のことはわかりませんし当流もあたふたすることばかりですが、S宗の大多数安泰の雰囲気が今揺らいでいるということなのでしょうね。

仏教界全体、先が見えません。淘汰の嵐が吹き荒れつつあるような感。

 

さぁどう生き残るか・・・まず私のこと拙寺の事を考えることにしましょう。

それが元からいらっしゃる檀家さんたちへの報恩。

 

画像は16日の拙寺報恩講寺楽市の案内。15日夕が逮夜。

そして17日が産業祭の出店。

この1週間もやたらと忙しい。

こちらは本山の報恩講

 

①は昨日の「坪ノ内」の外観。

あの木戸がネックですね。何か対応策を練らねばなりません。

以前庫裏を闊歩した賊もおそらくこちらからの侵入でした。