奈良天理市のホテルで受けた訃報の件、どちらにしろその翌日には帰路に就く予定でしたが、折角の奈良ですのでフルに時間をとれればと行き先を2、3検討していました。
そのあとのこと、のらりくらりと書き記させていただきましょう。
6時30からの朝食を済ませ、身支度を整えて7時過ぎにチェックアウト。
目的地選定のため、ナビをチェックすべくエンジンキーを回すとセルモーターはビクとも動きませんでした。
心当たりとしては前日、エンジンが始動しにくかったことがありましたが、そのあとあれだけ(400キロ近く)走っておきながらイキナリバッテリーがあがる・・・そんなことあるものか・・・の呆然自失。前日の「山の中」よりはいいや・・・の安堵も交錯。
ジャンプコードは常時搭載していますのでホテルからチェックアウトしてくる客を捉まえて電気を分けてもらおうと待ち構えました。
ボンネットをオープンして、「あの車の隣に・・・」と丁重にお願いするわけですが、その日は朝から色々と勉強させていただきました。
意外な事でしたが7件チャレンジ中、けんもほろろタイプの方が4件あったこと。
「3分ほど時間をいただければ・・・」と殆ど懇願の躰であったにもかかわらず、理由は「急いでいる」「忙しい」ということで拒絶。
これまで私は何度かそういたシチュエーションに出くわしていますが、目いっぱい出来る限りヘルプに応じた記憶があります。「まぁ世の中とはそんなもんだろう」と思いつつ「私の場合はたとえ通夜葬儀の時間が迫っていようがその3分は絶対に付き合おう」と心に決めたのでした。
そしてあと2件は「バッテリーの場所がわからない」「助手席の下だろうが開けられない」でした。まぁ態のいいお断りだったのでしょう。
私がその助手席の部分を手を突っ込んでまさぐるわけにもいかず諦めましたが自身の所有する自家用車であってもバッテリーの在処がわからないというのもスゴイことでした。
そして最後の1件。普通自家用車の方でしたが、気軽にOKをいただいて難なくコードを装着しましたが私の車はジーゼルエンジンでそのバッテリー容量はかなり大きい(「110」)ことからその自家用車のパワーでは復活に至りませんでした。
ダメだったにしろ拒絶率高い、厳しいお達し続きの中、気軽に私の願いに応じてくれたことを感謝しました。
そしてその方も恐縮して「頑張ってください」と。辛い心境ながら一気に心が晴れました。
すべて拒絶されるとは限らない。気持ちのいい人も現れる、捨てたもんじゃあない・・・です。
私は車を動かすためにここで待っていても仕方ないだろうと8時前から天理の町を歩き出しました。
歩を進めつつ思いつくカー用品大手の名を検索しても天理にはナシ。
ガソリンスタンドにカーディーラーうまくいけば中古のバッテリー屋にぶつかるかもとの楽観です。車検屋さんも多く点在しているようでした。
たまげたのは天理の街区ときたら天理教関係の大きな建物か居並び研修道場の如く宿泊詰所ばかりだったこと。
ガソリンスタンドもカーディーラーも私の目に留まることはありませんでした。あとは病院に警察署・・・
だいたいの街の雰囲気はわかりましたがそればかりは無駄な歩きでしたね。
歩きながら検索ヒットしたバッテリー取り扱いがありそうな店に電話を掛けまくりましたが何せ時間が早すぎてどちらも開店前の音声テープばかりだったこと。
近くの車検工場の開店を待って飛び込むとメカの方が一応在庫を調べてくれて「同等バッテリーの在庫は無い。車がここにあればチャージ等の対応はできる」とのことでした。
そもそもそれは無理なこと、腹の中「車が動けばここには来ないぜ」と心に思いつつ「すぐそこのホテルで3分もかからない場所です」と短時間でちゃっと終わる旨、強調すれば「上司に聞いてくる」とその場を離れてしばらく「お昼まで待って」との回答をいただきました。
彼らはそれぞれの決まったシフトで動いているワケでバッテリーの新品の販売に繋がるわけでもない一見さんのバッテリーチャージなら「お前のお昼休みにでもやってやれ~」と上役(女性でした)に突っ込まれたのでしょうね。
メカの方は通りを渡った私に向かって申し訳なさそうに頭を下げていました。
「いいんですよ~」と手を振りながらまたも嬉しくなっている私がありました。
私としても3時間はさすがに待てませんのでタクシーを拾って隣の大和郡山にあるカーショップに買い出しに行こうと覚悟を決め再び街区を歩き始めました。
すると携帯電話カバーの中に「そういえば・・・」とハッとさせられる紙片が目に入りました。どうして気が付かなかったのだろう・・・
それは20年ほど前に入ったクレジットカードの付帯サービスで「ロードサービス」が受けられるというもの。
カードの維持費は無料ですがオプションのロードサービスの年会費は750円程度だったかと。
それについて奥方からは「無意味につき さっさとヤメろ」と毎度罵しられていたものでした。
まぁ任意保険のサービスもあるにはありましたからね。
「ここにかけろ」と言わんばかりに電話番号がモロに目にはいってきましたのでダメ元でかけてみました。
すると10回ほど「しばらくお待ちください」のアナウンスを聞かされたあと、おそらく東京でしょう集約センターの担当者が出ました。
私の本人確認が済んで車の現状を話すと「30分以内に手配します」とこれまでとは信じられないような展開が。
10分程度待つと近くのレッカー屋さんから直電があって今から出るので「10分ほどお待ちください」となりました。
信じられない思いで待っていると白いツナギを来た好青年がニッコリ笑顔で現れて、コレなら楽勝とばかりにあっという間にエンジン始動。
自力には限界があることをここで再認識。
「おかげさま」を思いました。
御礼のことばを述べると「そんなに喜んでくれるとは嬉しいです・・・これに懲りずにまた天理に遊びに来てください」と。私の腹の中をすべて承知しているが如く。
9時50分にすべて解決。
10時までが正式なチェックアウト時間。それから新たに駐車場料金が発生しますからね。
ホテルフロント担当のご配慮でレッカー屋さんの入場料金をサービスしていただきました。
10時に出立し午後1時30分には相良着。
エンスト即地獄が想定できましたのでMT車でクセになっていた2速発進を封印、清々しい思いでエンジンノンストップ走行で逃げるように自宅へ。
ちなみに車庫に入ってエンジンを止め、再びセルを回してみると・・・思った通り微動だにせず。よってその場でバッテリーを降ろした次第。
もしどこかでエンストしていたら?
過ぎた事のタラレバを考えてもね。
そういえば「どこかでバッテリーを交換してからお帰りを・・・」とは彼が注進していました。
しかしニヤニヤしながらそれを聞き流して突っ走った私です。
昨日息子がやってきて(島田で通夜とのこと)隣の車庫の彼のチェイサーを始動するも何故か同様、バッテリーあがり。
彼のバッテリーは比較的新しく軽自動車からの接続で復活しましたが・・・。
長雨とそれぞれ1カ月以上も走らせていなかったことがイケなかったのでしょうか。寒冷へのダメージのイメージがあるそれですが猛暑も苦手なのでしょうかね。
バッテリーの生き死にもそれぞれあります。走ってもチャージしてもダメなものはダメ・・・。人間と同じか・・・
画像は失礼とは思いつつも彼の勇士をアップ。
あの時の私にとって降臨した仏のような方といっても過言無し。
将に天理の仏です。天理は「神」のイメージでしたが・・・
お仕事とはいえ、すこぶる好印象、気持ちのイイ来迎でした。
色々ありましたがこれですべてヨシの奈良に。
①はその前日の駐車場。
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小山昭治 (土曜日, 07 9月 2024 08:49)
おやおや 大変なことでしたね。お疲れ様でした。
で JAFは?
私は恵那峡トンネルの中でクラッチ故障で立ち往生して以来JAFに入りました。
その時は同乗の一人がJAFに入っていて大助かりしました。
水窪の山の中でのパンクもJAFでした。
保険でもJAFでも万が一での備えは大切ですね。
でも 暑さ過ぎれば・・・ですね。
終わり良ければ総て良し。
今井一光 (土曜日, 07 9月 2024 20:00)
ありがとうございます。
JAFは昔から事あるごとにどうしようか・・・の検討はありましたが、ケチな性分の私は
入会に至ったことがありません。
というか何とかなるだろうのお気楽で生きてきたからでしょうか。
しかしトンネル内での故障とは強烈不安な状況ですね。
私はこのロードサービスは(各あるサービス含め)初めて使用しましたが、この出光カードのサービスの効力すら信じていませんでした。よって携帯電話のカバーに忍ばせてあったその存在すら思い出せずにいました。
そのカードは維持費が無料というメリットだけで取得したのでしたがたまたまロードサービスというものがあって年会費750円くらいならと当初から入会していました。
20年間何も使用せずに支払い続けているその会費は2万円弱。今回で元を取った気持ちにもなって、なおこれからは出光のガスステーションで給油したいといった恩返しの気持ちで溢れています。そのスタンドにはなかなか出あえませんがね。
たかがバッテリーですが、早い対応と完璧さに感動させられました。車の故障した場所というところもありますが何しろ早かった。
お祭り大好き (土曜日, 07 9月 2024 21:37)
喉元過ぎれば暑さ・・・・・・ と反省しています。
朝は「お気の毒でした。」の短絡的な心境でしたが、今夜、「以前代車が汐見台で作業後にエンジンがかからず、ロードサービスを呼び助けていただいた」ことを思い出しました。 鈍感か老齢痴呆化です。 自分の自分の車は定期点検にだしており安心でしたが、まさかディラーの代車がと愚痴を言っても解決になりませんでした。 保険と一緒で応分の心配りで不可欠ですね。 小山さんの意見に賛同!!
一方、肝心の交通事故は徐々に回復しており、15日は御船神事にでも出かけようと思いましたが、インターネットを検索しても一向に見当たません????
牧之原市にとって田沼意次以外は対象外・・・とひねくれて感じました。
なお、保険会社の誠意が欠けていることにも閉口です。
今井一光 (日曜日, 08 9月 2024 00:02)
ありがとうございます。
体調回復の件、何よりの事。大事にしてください。
保険屋の主張そして大企業の方針には一個人として抗うことの難しさも感じるところです。
ご自身の楽しいご趣味に再び戻れることを伺って安心しました。
田沼意次以外・・・それもやむを得ないかも。今はそれ一本で町は突っ走っていますので十分にその気配は感じます。
来年一年過ぎたらもとに戻るのか・・・町はその気分をずっと継続したいという方向ですし、私どもとしてもそれにただ流されていくだけです。