長篠合戦図(成瀬家) 猪目と籠目-六芒星と植村庄衛門

私の妹の娘が第一子を連れてきました。

以前その男の子の名を聞いた際は、何となく平静に「ふ~ん」と聞き流していましたが、今回はその名づけの発想について突っ込んで聞いて仰天。

名前は「れおん」。その「おん」には寺の娘の子らしく「恩」の字を採用したといいますが「なんだってそれにしたんだ」・・・になります。

 

要は妹がその名を命名したようですが(相手のその主導権を与えない事も不思議)、私が「まさか映画(『レオン』―30年前の)じゃあないだろうな~」というと「それもある・・・」と。

奥方も息子も私もひっくり返りそうになっていると、妹の娘が小さい頃、何かの拍子で私がその映画に登場する女の子の名前の「マチルダ」と呼んだそうで、「それがあったから」と半ば私の責任の様。

まぁ嫌いな映画ではありませんしエンディングに使用されていた「Sting 」の「Shape Of My Heart」はよく聞きました。

その歌詞を眺めたものです。

 

息子が「ミランの10番がレオン」と承認。最近はその映像を早起きして観戦しているようです。

「まったく関係ないだろう!!」と私。しかしその件、当家の内輪ネタですからわかる人にはわかる。

特に「奥の墓道」氏はニヤっとするでしょうね。

 

扨、独りよがりの件はともかく、設楽原の「本戦会場」に戻ります。

連吾川を渡って右方向に馬防柵を視界に入れながら進めば、お馴染み「長篠合戦図屏風」のお出迎え。

長篠設楽原の戦いをど~んと描く図です。

各現存するそれは多種に及ぶようですが何といっても一番に目に触れることが多いのは白帝文庫所蔵の成瀬家本。

成瀬正義の弟、成瀬正一の馬防柵前の雄姿を描いた図と言っていいかも知れません。

 

勿論馬防柵手前のそれは成瀬家本②です。①は現場のもの。

その中で不思議な事。

やはり主役は徳川家康のはずなのですが、その原本には違う名が記されています。③植村庄衛門です。

その人植村正勝は家康の重臣(三河三奉行の一)で、その名は別に(下段)ありますからオカシなところ。

 

単純に絵師が間違えたか、わざとやったか。

「徳川家康」の名を記すことは憚られますし、神格化された大御所の実名を記すなど当時は出来るはずはありません。

それにしてもなぜその人なの?ということになりますね。

 

よって現代はその修正物が出回っていて「徳川家康」と記されていたりします④。その図から徳川方の陣の下方を眺めれば植村の名は出てきますね。

 

そして、紋章の件。前述Sting の「 Shape Of My Heart」の「Heart」と同じカタチ「猪目」については日本古来の紋章であってその海外でもてはやされる意味とはまったく違うことを拙ブログで記しています。

③画像アップの序でに・・・

馬上家康の近習の着物の背に記されたあの文様の件、欧米的には「六芒星(ろくぼうせい)で今、普通にイメージするのはイスラエル、ユダヤ・・・です。しかし勿論これもそのユダヤ・イスラエルとはまったく関係ありませんね。

 

紋章として星や星座などを旗印に描くことはザラにありましたが、この星形もこういった形で密かに登場していました。

和風にそれを呼べば「籠目」。

籠を編んだ際その紋様になることからですね。

 

かつて日本ではその紋章を商標に使用していた会社がありましたね。

それがその名の籠目の通り「カゴメ」。

私はおいしいジュースでお世話になっています。

④画像右側の商品にはその籠目が別に。

 

私の場合、特にその紋章はトマトのヘタのように感じますが。

1980年に入ってカゴメはその標を放棄しているよう。

ユダヤのイメージを嫌ったか・・・⑥は一昔前のカゴメの品物の図。掘り出して行けばまだ画像は残っています。