口惜しさ溢れる・・・ 西尾室町林松寺廃寺 

数日前に山火事がオゾン層を破壊する・・・なる説が科学誌ネイチャーに発表されたといいます。

普通の火事や戦争戦火ではなくて山火事というのも「ん?」と思わせられますが、何らかの化学反応がオゾン層で起きているという指摘です。

 

気候変動による温暖化の影響で世界中で山火事の発生の報を聞きますが、オゾン層回復の兆しも・・・というニュースもあっただけに困った新情報です。

発展途上国の焼き畑農業や森林開発を目途とした人為的な放火、そして大規模な野焼きイベントなどすべてがオゾン層の破壊に繋がるということになりますからね。

 

今後その学説が当たり前の認識となればそれらの規制が広がるのでしょうね。

日本国内でもその山火事のニュースは特に冬の乾燥期に発生していますが、その原因は野焼きやタバコの火の不始末、要はこれも人為。

 

昨日も山火事のニュースがありました。

私がかつて歩いたこともある幸田と西尾の間の山でした。

拙寺の七代住職祐信の実家、西尾の順成寺からふっと思いついてあの謎の石垣のある山へ上がりました。

その辺りの西側の山間部が火事ということですが、消防車など入れないような山道ですからね。

火の元で考えられるのはタバコの火くらい。

土曜日の出火と考えればなるほど、結構に地元では山歩きに人気の場所。ハイカーの無頓着が原因でしょう。

 

今頃の時期の山道といえば前年末の落ち葉が堆積しています。

スリップが怖いところですが、ハイカーの一服、喫煙は目にするところ。

あのような可燃性堆積物に火種を放置すれば燃え広がっても不思議ではありませんね。

要は人という者のアホさ加減。イヤ、殆ど故意に近いものがあります。

しかし、風が無くてよかったです・・・その件を思うばかり。

幸田といえば先般起こった幸田駅前の大火を思い出しますから。 

 

昨日境内でおしゃべりした方から「お隣の△△さんは・・・」となりました。

家族に憚って自宅で喫煙できないことから自宅前に出て喫煙しているそうですが、灰皿も持参せず、最後は必ず溝に投げ込んでお仕舞いにする・・・と。

「火が出たらどうするんだ・・・」と私に愚痴っていました。

 

扨、祐信の実家、順成寺の住所地は「西尾市室町(むろちょう)中

屋敷」。

その近隣に林松寺という浄土宗のお寺があります(場所はこちら)。住所地名は「室町上屋敷」になります。

既に廃寺整理が決まっているようで以前伺った時は寺周囲の植栽が伐採除去されて、周辺が丸裸になっていました。

 

その順成寺も後継者不在となり代務寺院のお世話になっていますし、以前記した幸田の久保田城址聞入寺も今は更地になって 

しまいました。

こちら林松寺の経緯について不詳ですが、私も同じような立ち位置にいる身。

口惜しさばかりが残る風景でした。

 

寺の背後には歴代住職の卵塔が見えます。

無造作に集められた石塔残材や集められた石仏墓石たちが感じられているであろうその無念にまた寄り添いたくなってしまいます。おまかせするしかないのでしょうね。

南無阿弥陀仏。

 

③「水のみ龍」のおはなし。

こちらのお寺が地元の伝承にも記されている古刹であることがわかります。そういった伝承もそのまま歴史の中で消えていくのでしょうか。

 

あの時はお堂がまだありましたが今はどうだろう・・・とも。

そして仏像ほか什物はどちらに・・・など。余計なお世話か・・・

ネット上に廃寺流出品として出品されている品々が数多あることは承知しています。

 

先日もやはり三河の廃寺真宗寺院から出た聖徳太子の軸が出品されていて、「私が落札すればすべて収まるのでは・・・」とは思いました(寺院名・住職の名・寄進者の名が裏書)が拙寺には既存のそれがあって余分な代物となります。

そして奥方から反対されたため諦めました。

如何に寺院流出品と推測できるものが出回っているか・・・

盗品?を連想するものもしかり。