遠く欧州の戦争のこと、直接は「私の生活」に影響が無いのですが昔のそれと違って時間差が殆ど無いライブ感、特に画像から得る様々な視覚情報は、映画を観ているよう。
昨日はウクライナ国連大使が国連で、ウクライナで亡くなったロシア軍人とその母親とのメール交信の内容が紹介されていました。
おそらくその青年が死の直前まで使用していた携帯端末なのでしょう。
母親は「アリョーシャ、今どこにいるの?」から始まる内容でした。
そのロシアの若者を直接知らなくてもその名を聞いて「カラマーゾフ~」を連想しない人はいなかったのでは。
私の知るロシア人の名のうちでも馴染み深いものがあります。
以前ブログではアリョーシャを長宗我部盛親にこじつけて記したことがありましたが、あの本(カラマーゾフ~)を知っていれば彼に感情を入れ込むことはあっても批判する人はいないでしょうね。
現実世界では訓練と言われながら「プー」の個人的趣向によって引き起こされた戦争のド真ん中に投入されたその若者はその当事者として敵国の銃弾を浴び、命こと切れたということなのですがその母親の悲しみも醸し出していて(おそらく母親はその現実をいまだ知らない)今、世界から総スカンのロシアであっても末端の殺し合い最前線に投入されている者たちは「親であり子である」ということ「人間である」を知らしめました。
ロシア人であっても気の毒なことです。
「ロシア人であっても」の言はイケないこととは思ってもその「プー」の下働きをしている者たちは今や世界の敵に成り果てました。
あのロシア友好国のトルコが昨日は反旗を翻して黒海の海峡を
封鎖したといいます(黒海に入ったロシア艦船の補給路が絶たれる可能性)。
スイスや北欧の中立を国是としている国々もウクライナの応援席に着きましたね。
昨日はキエフに向かう1本道にロシア軍車両の「64㎞の車列」について報じられていましたがそれだけの大量導入は視覚的威圧感はあっても「プー」の当初の計画「短期決戦」にて首都キエフを奪取することは難しいと感じます。
海外の番組ではその勢力差を「ゴリアテとダビデ」を出して比喩していました(ブログではかつてハリルホジッチをダビデに喩えて記しました)。
世界中でその比喩が出ているとしたら「ダビデの肩を持つ」というのがその流れ。
貧弱と思われたダビデがゴリアテの首を獲るという爽快感も期待しているのだということもわかります。
昨日はその「64㎞の車列」について前方の車両が「ガス欠」になったからという話がありましたが、まんざらデタラメではなさそう。戦線が伸びれば兵糧も燃料も補給にしろ時間がかかりますからね。
NATO諸国は勿論、欧州で「中立」をこれまで決め込んでいた国々がウクライナ支援に動き出しましたが、その主なウクライナ側の支援要望は対戦車ミサイル「ジャベリン」といいます。
このNATO当たり前のアメリカ産の新兵器は優れモノ。
ウクライナ政府はモロトフカクテル(火炎瓶)の製造方法を国民に報せたりして徹底抗戦を訴えていましたが、ロシアはそれを「弱い」と高をくくって進撃していけば酷いしっぺ返しを食らうことになりますね。
この停戦交渉の時間に陸路その優れものの兵器がウクライナ国内に入っているようですから。
装甲車・戦車の類は強い戦闘能力のイメージがありますがその対戦車ミサイルは戦車などの鉄の塊を難なく餌食にします。
貧者の兵器ともいえそうな携帯モノですが(とはいっても一基約600万円)いともカンタンに戦車などをただの鉄くずにしてしまいます。よってもはや戦車など無意味としてしまうもの。
一昔前のハナ肇の映画「馬鹿が戦車でやって来る」などそのタイトルだけですが思い出します。
数キロ離れた場所からゲリラ的にその携帯ミサイルを撃ってビルからビルに逃げて隠れて、撃って逃げてを繰り返していれば最悪キエフが陥落したたとしてもウクライナ国内に大統領が潜伏して国民を鼓舞していればこの戦争の軍配はウクライナに上がるという算段です。
市街戦は守備側、地元に利アリと思われます・・・。
そもそも戦闘員の気合が違いますからね。訓練といわれて戦場に連れてこられた兵とは違います。
ウクライナが頑張れば(支援すれば)頑張るほど「ゴリアテ」へのロシア国民の支持信任は薄くなるでしょう。
送られてくる画像にもおそらくそれによって破壊されたであろう戦車が転がっていました。スゴイ威力です。
NATOの不参戦は名目上のもの。デタラメをやっているロシアですからNATO方にもウラがあるでしょうね。それは世の中の当たり前。
国籍を明かさない軍事顧問が付いてそのミサイルの講習会を現地開催していることでしょう。
どうこう言いながらも私はウクライナの応援席にいます。
弾丸の届かない遠い場所にいる口だけの傍観者ですが。
ロシアへの世界的経済制裁同調の件も未だかつてないほどのスケールでその結果がどのように転がるのか興味深いところです。ルーブル暴落で信用不安が起こってのロシアの銀行の取り付け騒ぎが大国の銀行で起こるということが傍観できるというのも凄い事件ですね。
経済の方がどうなるか・・・この目で見てみたい・・・とは思うもののさっさと「プー」がごめんなさいして撤収すればおしまいなのですがね。「身から出た錆」と言いたいものです。
日本がロシアと直接かかわるビッグなプロジェクトといえば「サハリン2」ですね。
石油と天然ガスを日本に送る壮大なプロジェクトですが、政府に日本国内のメーカー、商社がズブズブに絡んでいます。
世界はそれを知っています。
それらとの縁を切れずにいつまでもハッキリしないでモタモタしているのはみっともないことこのうえなし。ここはピシっと絶つべきでしょう。
大損は目に見えていますがここは自らの先見が無かったと潔くあきらめるしかありませんね。
あきらめずとも、まぁまた別の機会(ゴリアテがいなくなる・・・)を待てばいいのですよ。何しろ世界に歩調を合わせて「撤退」を表明しなくては・・・
さて、ゴリアテとダビデを比喩する戦争といえば私的に思うのは三方原の戦いかも知れません。
当時の家康と武田の勢力の比較をそのように思いましたがやはりその戦では家康軍は武田軍に完敗一蹴されたというのが歴史事実。その後ゴリアテ(信玄)の謎の死によって甲州への撤退となりました。
籠城か決戦かで迷った挙句武田におびき出されて開けた台地上での直接対決となり大敗北に至ったわけですが家康が城に逃げ帰ったその夜の作戦が犀ケ崖の夜討ちでしたね。
これまでその崖そのものについて記していませんでしたのであらためて。
要は地の利を生かした浜松方のゲリラ作戦でした。
自然にできたその崖をめざして夜間に武田軍を誘導するかのように追い立てて崖下に落とすという落とし穴作戦です。
ウクライナでも車列先頭の戦車など落とし穴作戦で不動にさせれば時間は稼げます。勿論穴底には火炎瓶。戦車は火に弱いですからね。
映画の見過ぎと言われそう・・・。
しかしこの犀ケ崖は単なる落とし穴の如くの崖には見えません。本当に不思議な場所です。
今は崖の向こう側には家が建ち周囲は住宅地になっていますが「突然に地面が深く裂けている」といった地形です。
川の流れが谷を形成したということも頭に浮かびますが、見たところそのようにも見えません。
当時はもっと深さがあったようですし地元の人間てなければまずあの崖の存在に気付かなかったのでは・・・
当初からあの崖を活用して武田軍に一泡吹かせてやろうとの計略はあったはず。たまたま決着が早くつきすぎて夜討ちの奥の手として使われたのでしょう。
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