一石七体阿弥陀仏 てんこ盛り 忍辱山墓地

相良の老舗、乃庄さんが今年いっぱいで店を閉めるという報せは拙寺周辺ではもちきりになっています。

店舗を継ぐ後継者がいないということに尽きますが悲しくショックが大きい事件です。

そちらの御子息は既に医師として活躍していますので仕事の選択肢としてそちらを選んだということなのですが、地元の乃庄の釜めしや寿司の味を知っていた方たちにとっては寂しいことになりました。

私の父も祖父もそちらには相当お世話になっていますが聞けば今のご主人で4代目。

元は新町(現在は根上り松の隣)で営業を始めて百数十年、相良の歴史を見続けてきた名店でした。

 

既に店舗での飲食は中止して現在はメニュー限定で近隣配達のみでの対応となっています。よってふっと店を訪れても食事をとることはできません。

自宅用に仕上げていただけますが釜めしは当日でもOK。

寿司の方は前日までに問い合わせて欲しいとのことでした。

また場合によっては(繁忙の場合)品物を店まで取りに行くなどしてお手伝いをしなくてはならないかも知れません。

 

そこで私の思いつき。

店舗での対応がなく配達のみですから、味わいたくもそれはできません。よって遠方の方向けに、拙寺本堂を使っていただければと。

乃庄さんは木曜が定休。

拙寺は法要が入っている場合もありますので各事前調整が必要ですが、うまいことやれるはず。

尚、本堂の使用料は不要、お茶の提供くらいはおまかせください。

 

さて、石仏のデパートの如く、種類豊富でこの目を楽しませてくれる忍辱山墓地ですが、一つの石面に複数の仏たちが肉彫りされたものがあります。

子たち孫たち縁者が近親の者たちを一石でもってまとめて弔おうとするものでしょうが、そうは目にするものではありませんね。

 

こちらは花崗岩製船形板碑( H128 W66 )。奈良県史より。

(よく確認できませんが)中央上部に梵字「キリーク」その向かって右に「サ」左に「サク」と阿弥陀三尊の種子。

その下に7体の定印阿弥陀座像のレリーフ。トップに1つその下左右に3体ずつの配置です。

トップの阿弥陀の真下の空間に「元亀二年辛未十月十五日」

 

向かって右の阿弥陀上からそれぞれの阿弥陀仏の側に

「スケ二郎」「ゴハ」「マタ六」。

同左阿弥陀側に「コ四郎」「フチワカ」「ヒコ六」。