鰯豊漁は「鰯を喰え」の機 ω-3脂肪酸 

歌舞伎世界では新作の類「鰯売恋曳網」(いわしうりこいのひきあみ)はその主人公の名「猿源氏」と父「海老名なむあみだぶつ」とはなんとも風変りを思いますが、その「猿源氏」のキャラもまた「バカ殿」そのもの。

それもそのはず鰯売りが大名クラス専門の上級遊女に恋をした挙句、殿様に化けて遊郭に潜入するというストーリー。

先日も記しました「松竹梅湯島掛額」と同じく歌舞伎の中でも喜劇の部類。

 

ここで思ったのは「猿」といえばバカ、「鰯」といえば庶民のことでその「鰯売りの猿」となれば上流階級の者からすれば歯牙にもかけない低俗底流の部類ということでしょうね。

 

その「鰯売り」はめでたしめでたしの結末となるのですが、お話の内容は各お調べいただくとして、いわばバカとも言われようとも鰯売りはその策略によって勝利を収めるのです。

 

さて、昨年来近海漁業の不漁の件、耳に入ってきました。

当地ではサクラエビの件切実ですが、秋の名物サンマの漁獲量が激減していまや庶民の味サンマがその希少度から高級魚に変貌しつつあると聞きます。

そしてそのサンマの代わりに獲れまくっているのがイワシだそう。

 

先日も鮮魚売り場にそのイワシの新鮮なものが並んでいましたのでそれを焼いて夕ご飯にしてもらいました。

その日は他にもイワシの水煮缶も付けて堪能しましたが、その意図は「オメガ3(ω-3)脂肪酸を取ろう」というものでした。

ブログでも以前「えごま油」について記しましたが、我が家ではずっとそれについて気にかけていました。

その件、昨晩のNHKの「食の起源―脂」で復習しました。

 

オメガ3脂肪酸摂取の効能は「細胞膜の柔軟性」にあってそれは即血管をしなやかに伸縮させることに繋がります。

またその内部を通る赤血球も柔軟伸縮し、その流れをサラサラにするといいます。

要は「循環」が健やかであるということでいわゆる「動脈硬化」を防ぎ結果「心臓病」「脳梗塞」などの老化を遅らせることができるということ。

特にまた脳の高度な機能に関わるエリアにそのω-3脂肪酸が密集しているそうでその不足が脳機能の維持にも不可欠とのこと。それこそが人類祖先の進化の歴史に関わる重大な成分という説明がありました。

 

ω-3脂肪酸といえば「海の幸」に豊富。

かつて海辺に暮らすことの有益性が進化の過程で示唆されていましたが、それこそそれが「強さ」を養ったのでしょうね。

先日記した山側に住む人の「海の近くの人は荒々しい・・・強そう」の感覚こそそこにあったのかも知れません。

 

ω-3脂肪酸は海のものに多く、ω-6脂肪酸は鳥・豚・牛などいわゆる現代の美食に多く含まれていますがその摂取量の比のベストはω-3脂肪酸1に対してω-6脂肪酸が2といいます。

それが健康のポイントのようですが、今の日本人の食生活はといえばω-3脂肪酸1に対してω-6脂肪酸が何と10だといいます。

 

最近、「肉の摂取は長寿の秘訣」などという甘言にそそのかされつつありましたが、日本人は十分「摂りすぎ」だったわけで。

 

イワシがそれほど獲れるのであればイワシを食さない手はありません。イワシを貧者の食と言って食卓から遠ざけることは自らの首を絞めているのと同じでしょう。

とにかく魚屋へGO!!です。

今年は頭も体もしなやか柔軟に。どこまでイケるか・・・

 

画像は崇禅寺の境内。

石塔たちを見回してみました。

②③はおそらく金剛界五仏(四仏)を表した宝篋印塔が元のスタイルだと思います。ただしバーツ合わせによる創作も推測できます。どちらかの廃寺などから転居してきたかと推察されますが・・・

 

嗚呼それから無駄なサッカー(オリンピックアジア予選シリア戦)の時間でした。監督はクビかもね。