プラゴミといったらつい最近まではまとめて船便でアジアに輸出するというのが先進国の定番だったようです。
その手の都合のイイ貿易があったというのは驚きでしたがそれなりのリサイクル加工がされていたのでしょうかねぇ。
ゴミから製品を作る技術があって、それは大規模な化学プラントなどは不要で低コストでプラスチック製品が再生されるのだろうと一瞬思いましたが、実は輸入国は環境の汚染が著しく問題化しているといいます。
何の事はない「輸出」とは言いながら各国内難題のプラゴミの処理を肩代わりさせていたということなのでしょうね。
しかし環境汚染を食い止めようという動きがアジア諸国で起こり、ここのところそのプラゴミの船便が追い返され、持ち戻りとあいなったというニュースが続出していました。
日本のプラゴミは中国に引き受けてもらっていたようですが、中国も受け取り拒否となりました。
よって日本をはじめプラゴミの行き先を失った国々はその処理の許容を超えてしまい、処理が追い付かずにゴミが溢れかえっているとのこと。
なんでもかんでもプラスチックを加工して「包む」素材としてきたのですが、使い捨て思想の先頭を牽引したプラ社会はいよいよ暗礁にのりあげたの感。
これからどうするの ?・・・ですね。
最近になって飲料水容器では当たり前となったペットボトルについてキャップを植物性由来にする動きがあるなど「なんとかしたい」の気持ちは企業に芽生えつつありますが、それは限界がありましょう。世の中ペットボトルだらけですからね。
ペットボトル本体についてそれを分解(食べる)してしまう細菌が発見されてそれを活用しようという方向があります。
その細菌の名が「イデオネラ・サカイエンシス」。
堺のペットボトル処理工場で発見されたことからそう名付けられたそう。
2005年に発見されて未だ研究発展の真っ最中の様ですが、「厚さ0.2mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)を、約1カ月で二酸化炭素と水に分解する」といいます。
そのような画期的な世界的環境の救世主があの戦国時代の我が国筆頭の自治都市の堺から発せらるということは素晴らしいことです。研究の発展と成果を期待したいところですね。
さて、堺の「自由で平和」に関しては宣教師ガスパル・ヴィレラのお墨付きの通り、戦国期にあって会合衆なる豪商たちが組織した特異な自治都市です。
その「自由と平和」こそが貿易と経済に恩恵をもたらすことは今や当然のことではありますが、為政者は武威によってそのカネのみを掌握しようとします。
信長・秀吉の着眼はそこのところで尚露骨でしたね。
三好長慶の堺への立場は大坂湾に面した湊津を押さえるというところ、その船舶物流を元とする経済基盤となすことを目するというところは為政者の発想として同じですがその主たる港湾である堺のポイントは宗教。布教と貿易です。
三好長慶という人は仏教への帰依が深く、その建立した南宗寺は臨済宗でしたが父の元長と言えば法華宗。
当時武家と豪商に法華宗は人気がありましたね。
それに対して一向宗といえば農民や半農の土豪。
やはり「自由と平等」を求めてしばしばその法華宗と対立した歴史がありました。堺は多様な宗教が混在した自治都市でもあったわけですね。
当時堺の法華宗の拠点は顕本寺。
西国に布教地の拠点とする各地の寺をベースにして堺と西国との交易を行い莫大な利益をあげていました。
そしてキリスト教宣教師を受け入れるなど貿易の基地ともなって大いに堺が繁栄したことは知られています。
特に大河ドラマ「黄金の日日」の呂宋助左衛門が記憶に残ります。
信長・秀吉の場合、特に「我が身」以外の畏敬する神仏などはなく「我こそが中心」的「為政の誤解」があったことは言うまでもないこと。
「平等」を否定し私のみが一番すばらしいの「自分教」に陥ることは甚だ見苦しいことでした。
三好一族は結果的に滅びることになりますが、生き方として「仏」を「私の上」に据えたところは信長・秀吉よりもどうしても身近に感じます。
長慶の父三好元長は長慶が10歳の時に主君細川晴元の手配による山科本願寺勢力に追われて顕本寺にて自害していますが、そこから生き残った絶望の長慶はじめ弟たちは連携し再び堺の地は勿論京・畿内に君臨することになります。
それは窮地から這い上がったサクセスストーリーでもありますがただ人生には無常と時のめぐりあわせにはどうにも抗えないところがあるというのも事実。ドラマ化にはうってつけです。
南宗寺は長慶の成功の証。父の菩提を弔いまた、堺に舞い戻ったという慶びでもあったでしょう。
尚、父元長の憤怒として知られるのは自害にあたって内臓を掴みだし投げつけたといいます。
それを聞くと「報いを待てや 羽柴筑前」の織田信孝を思い出しますね。
一番大きい宝篋印塔が南宗寺創建の三好長慶の墓。
その向かって右が長慶の父三好元長。
そして向って左が弟たちといいます。
三好実休(じっきゅう)に十河一存(そごうかずまさ)の順で並んでいます。
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