歴史の逸品凝縮 ワンダーランド 岩船寺十三重塔

ようやく本堂にストーブが不要になったような。

外気温が上がってくれたおかげですが、さすがに本堂内はまだ少々寒さが残りますので法要参加者は少々の忍耐が必要かも。

御内陣で読経する私の方は汗ばむくらいの心地よさがありました。

一昨日は埼玉県からの参拝のお客様がありましたが、昨日は何と佐賀県唐津からの法要参列。

私も車での遠距離移動は頻繁ですが、さすがにその長距離は想像を超えています。

その「辛さ」が身に染みてわかるような気がして、家族の長としての責任でもって交代要員ナシでの運転往復をする強者のご主人につまらない質問をぶつけていました。

 

いいお天気の昼下がりの運転など30分もすれば気が遠くなってしまうような私からすれば驚き以外のなにものでもないですね。

大阪まで行けば取り敢えずフェリーに乗ってしまうのでそこまで辿り着けば安息ができるとのこと。

その方の娘さんと孫は鹿児島の「桜島が目の前」という地に嫁いでいるそうで大阪まで行ったらそこからは飛行機を使用するそう。

拙寺檀家さんの中での一番の遠方の方たちでした。

お天気に恵まれて本当に良かったです。

画像あとの2枚。「佐賀」の文字が突出していました。

 

さて、外国人観光客にはまだ気づかれていないという感のある当尾(とうの)の岩船寺ですが、その広いとはいえない境内には古物満載、まさに特筆の見物のオンパレードとなります。

 

昨日の三重塔は山門を潜って正面に見えますがその手前の右に阿弥陀仏の鎮座する本堂、その向かい左手に本堂と対面する形で美形十三重塔が立ちます。

鎌倉時代後期の作で重文指定。530㎝花崗岩製です。

塔上部には「水烟」付の相輪がしっかり現存。

こういう姿を見せつけられて、この地の地震の少なさと地盤の強固さを推測します。

「水烟」(すいえん)とは九輪の上にある火炎状の装飾のことで火事と水難を避ける意がこめられているといいます。

 

石段を設けてその上に立つ姿も凛々しくまさに完成度の高いものがありますが、軸部月輪(がちりん)には金剛界四仏の梵字が記されていて、川勝政太郎氏はそれを「整美」と評しています。

積みなおし整備の際、「水晶五輪舎利塔」の存在が顕わになったといいますね。

金剛界四仏はチャキチャキの真言系密教を示します。

興福寺末寺からの変遷ですね。

本堂内ご本尊阿弥陀さん座像はパンフより。