晴天続きは有難いもののこう乾燥しきったカラカラの空気覆われればさすがに気をもみます。
インフルエンザの流行と今一番に気になる火事の件ですね。
そこへきて昨晩のちょっとしたお湿りは何とも有難し。
北海道は大荒れの予報が出ているようですが、遠州地区は降雨があると意外や結構に暖かい。
昨日の昼間は晴れていましたが無風で本堂気温は息が白くなるほどの寒さにあらず。
堂から外に出ればむしろホッとするような温かさを感じました。虫がイイ話を申して恐縮ですが、夜間の降雨があけて昼間の風無しお天気がベストです。
先日は史蹟研究会会長で拙寺世話人の小澤家の法事がありました。ご自宅で「ほれ」と紹介されたのが「みなもと太郎」の「風雲児たち」。NHKの2019.1.1に放映される正月時代劇、上記同名の原作でした。
若州小浜藩の杉田玄白ほか周辺の日本の医術創世記に活躍した人々を描くもののようですが、何と言っても小澤氏がコレに注目しているのは「田沼意次が出る」からですね。
それも好感の持てる配役、草刈正雄なのでした。
相良潜伏の噂がある平賀源内の出演もあるとなれば、「相良」関り満点で地元ネタとしては話題性十分。
装束の考証として田沼意次他衣装にはかなりの予算が出ていると聞きますが、その衣装を貸り入れて当地でそれらを「展示したい」と気合が入っていました。
さて、表記「相良海老」。
相良在住の九割方、いやそれ以上の方はその意について、相良でとれる「海老」のこと?と聞き返してくることは固いところ。
それはそれは昔から魚介類の産地と知られる当地は伊勢エビはじめその類の漁獲はあったことは言うまでもなくそれを連想することはいたしかたないところ。
しかしその「相良海老」は田沼意次にまつわる一級の史料。
大層な量を誇る古文書で、当地では以前から史家たちによるその解釈を試みている形跡はありますが、未だ全文解読のまとめ本は出ていません。
全般、田沼意次の優秀な部分を多く記しますが、その倍以上に彼をこき下ろす記述と松平定信絶賛の評価があるために、相良在住田沼ファンからすれば苛立ちむかつく書であったかも知れません。そういう点から各地元田沼研究家からは忌避されていたきらいがあるかも知れません。
要は松平サイドにある者の記述を元に追記(著者不詳 「大柳住の小泉源次郎」)されながら、文体を整えたものなのでしょうが、田沼寄りの方たちの「耳が痛い」ことが多いということだけでこの書を闇に葬ってしまうのは口惜しい限り。
ブログにて既報の通り、以前吉祥寺の叔父からの依頼でその「相良海老」(「相良海老安明天記」)のコピーを仕入れて送っていましたが、このほどその解読に目途がたったとのこと。
叔父と吉祥寺古文書研究会の皆さんが取り組んでいたようです。現在、その出版について牧之原市で可能かどうか打診中です。
以下目録冒頭部分
相良海老安明天記 源次郎
安明間記 目録
巻之一田沼家先祖由来之事并
専左衛門佐野家江奉公之事
巻の二専左衛門娘たつ奇才の事
并 専左衛門娘を江戸へ出さんとする事専次郎浅草ニ而売買才知の事
并 専次郎繁栄の事巻之三 一 専左衛門娘たつ奉公に出る事 并 源蔵(助)立身之事 一 専左衛門夫婦七面へ祈願之事 并 田沼主殿頭出生之事 巻之四 一 龍助御奉公ニ罷出ル事 并 専左衛門病気之事 一 定紋七ツ星由来之事 并 専左衛門死去之事
巻之五 一 龍助雲州家へ取入之事 并 御側勤メ被仰付るヽ事 一 主殿頭立身之事 并 山城守若年寄ニ成る事
巻の六儀一 主殿頭殿栄花之事 并 山城守殿大平権現の社人を招タ事一 大平権現社人佐野系図ヲ演説の事 并 山州公系図所望の事巻の七一 山州殿佐野氏ヲ招かんとする事并 善左衛門殿立服之事一 亀五郎殿善左衛門ヲ説かるゝ事 并 田沼家ゟ佐野家江使者之事 巻之八一 善左衛門田沼家江入来之事 并 立身思ひ立之事一 善左衛門殿木挽町屋敷へ招かるゝ事 并 系図持参之事 巻之九一 田沼佐野江非礼の事 并 領地智ニ付憤る事
~以降割愛
さあこれもどうなるか・・・
予定としては来年六月までにチェック完了後、相良史料館に持ち込む事になっています。
ちなみに叔父と吉祥寺古文書研究会は無報酬です。
田沼意次(牧之原市サイト)生誕300年にあわせて出版したいと考えています。
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