阿古屋の宝塔と清盛の五輪塔もろもろ 六波羅蜜寺

幾度か前の法事のお斉で施主と参列者の掛け合いに「人間の誰もが思うところ」と思った事がありました。

あくまでも私は傍観するのみですが。

「(酒が足りないだろから)ドンドン飲め!!」のあとに「オレがお前の葬式に出てやる」と。

するとそう言われた方は「冗談じゃあない!お前の葬式にでるのはオレだ」・・・

友の葬式に出て見送り役としての名乗りをあげるのは、皆さんこぞって自分が最後まで「長生きする」の宣言。

 

ところが計算不能が人間の寿命。

ちなみに阿弥陀さんの別名「無量寿」の「無量」とはノーカウント、比較無しの命のことですね。

要は「いろいろある」からその寿命に差異が現れるのですが酒の「量」によるダメージはかなりあるよう聞きます。

よく酒の件「ほどほど、適量、嗜む程度」という言葉が言われますが、そもそもコントロールが効かないというものが人間ですので、しばしば暴飲となって制御不能、体もぶっ壊れればしばしば人生を台無しにするような失敗をやらかします。

飲酒運転が未だになくならないところからそれはよくわかります。お酒を嗜められる方々は時節柄お気をつけください。

自身の心が一番にアテにならないことも。

 

さて、六波羅蜜寺(昨日)本堂裏の宝物館には超有名な空也さんの像がありますが、境内には結構イカした石塔があります。

尚、空也さんの画像①はウィキペディアからです。

またGoogleマップから本堂の中まで見ることができました。

 

「阿古屋」の宝塔は鎌倉期に建てられたといい基台が古墳石棺の蓋だといいます。

傍らに立つ阿古屋塚の碑文には、歌舞伎等の演目の「壇浦兜軍記~阿古屋」でオンリー1の役者板東玉三郎の名があります。

これはユーチューブにも断片的なカットがアップされていますが、視覚的にはなにより阿古屋の豪華な髪飾りと鮮やかな着物に圧倒されます。

 

見どころは阿古屋が琴と三味線と胡弓をそれぞれで全三曲を劇中で演奏するという圧巻です。

あらすじ詳細割愛しますが名判官秩父庄司重忠(畠山重忠)の助役として阿古屋を尋問する岩永左衛門致連。

私が拝見したものは人形浄瑠璃ばりで先日終了した大河ドラマ直虎に出てきた近藤康用の意地悪っぽさと容貌についてアレをイメージにしたのでは・・・と勘ぐってしまいました。

 

阿古屋宝塔のお隣には清盛の五輪塔。五輪塔のスケールとしてはまずまずの大きさですが、風・空輪と地・水・火の石質は違うように感じます。またあの風・空の大きさからすればもう一回り下の各部が大きくてもいいような気がします。

 

③の仏頭はインパクトがありますね。

嫌いではありませんが獄門台の上に・・・という気分もしないわけでもないです。