都合の悪い事は隠す 政の基本 天明の大火 清浄華院

ここ遠州相良では先日の梅雨入り宣言以来、まったくといっていいほど雨がありません。

私はこの時期になると6月下旬、梅雨明けしたばかりの沖縄のべた凪の海とドピー感の太陽が恋しくなりますが、今の相良の空はそれに近いモノがあります。

ということで本日は自前で内装工事に着手。

冬場ハイビスカスを置く2階の八畳間をフローリングにしようというものです。

 

畳を廃棄したことは少々心残りではありましたが、衛生面と掃除などの管理を考えれば選択肢は一つ。畳屋さんには申し訳ありませんが8枚の畳たちは処分場へ。

処理費は1300円(10㎏50円)。だいたい30㎏/1畳計算です。

2階の屋根から境内に放り投げましたが疲れたと感じたのはその重さでした。これを業者さんに依頼したとしたらこの価格では収まりませんからね。天気がイイので仕事がはかどります。

あと三部屋を板張りにする予定ですが材料費のみで3万円程度のやっつけ仕事です。

 

さて、それにしてもイギリスの高層住居ビルの火災は驚きと恐怖そして地獄を思いました。

「火が出ても安心だから部屋に居ろ」などという「そのとき」のマニュアルがあったようですが、とんだデタラメだったようで。

脅威には視覚的なものもありましたが私の一番に思ったのが「あの先進国のイギリスで?」でした。

人命尊重のポリシーはこういった市民の住環境においても隈なく配慮されているものだとてっきり思っていました。

日本では消防法上の規制が建築物に網をかけていますので「大丈夫です」とは聞こえてきますが、やはり今回の画像を見る限りでは高層建築物の逃げ場の無さというものを大いに感じてしまいます。

 

よく本堂の上や木の上に登っている私に対して、「よく怖くないね」と奇人の如くの問いかけがありますが、私からすればあのような高層ビルに住まう方がよほど奇怪に思うところ大ですね。私には身を確保するロープでバッチリ繋がっていますので。

ちなみに愚息の下宿部屋は3階ですが、念のため15m程度のロープを置かせています。

 

京都の火災といえば歴史上それはそれは半端ない規模で延焼した、天明の大火があります。

四条宮川から出火した火災は強風に煽られて何せ御所から二条城、東西本願寺も被災したといいます。

「京都市中1967町のうち焼失した町は1424町」とウィキにありますが、200以上のお寺が焼けたそう。

田沼を追いやった松平定信が事後処理に頭を痛めた大事件でしたが、まさにもう一つの案件「天明の大飢饉」の真っただ中の災禍でしたからね。

 

財政逼迫の中で御所の豪勢な建て直しの件で揉めたことは「そりゃ当然でしょ」とは思いますが、このあり得ないような無茶苦茶な火事で「焼死者150人」の公表数字は誰も信じなかったようです。どちらの時代も被害や損害は少な目控えめに公表する

というのがならいなのでしょうかね。

 

尚、NHKの夜10時は「空き家の活用」(再生)の件を伝えていましたが、この京都の大火の原因は空き家への放火だったそう。

「空き家」は放置できませんね。

 

先日の総代会では火災保険(年間50万円強)についてのチェックが入りましたが、あらためて「火災へのケアは念入りに」と管理者としての「心配」はなくなりません。

としても「火用心」(ブログ本多作左衛門重次)については十二分にケアしているつもりですが、こればっかりは100%大丈夫とは言えませんから。

外周の「木をあまり切らない方がイイ」という意見もありました。

 

画像は御所の東側、寺町通の清浄華院(場所はこちら)。

こちらには天明の大火で焼死したと伝わるその「150人」を弔う五輪塔があります。

まともな戸籍など無い時代、おそらくその150の数字とは戸主家主の数字であって家族や丁稚奉公人・使用人は含まれていないような気がします。

 

最後の画像は「安政五午六月四日午の刻」とあります。

「京都大火極本しらべ」なる瓦版から。安政の京都の火災についてで時折オークションに出品されています。

東本願寺の離れ、枳殻邸(渉成園)まで類焼したといいます。

 

人類は「火」のコントロールにより恩恵を戴いて発展しましたが忘れたころにその「火」というものによって痛い目にあってきたという歴史があることを忘れてはいけませんね。

尻に火が付く前に「火用心」。

さぁパトロールにいってきましょう。

 

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コメント: 2
  • #1

    河東村出身者 (日曜日, 18 6月 2017 06:24)

    日本で壁の外断熱の家が普及しない理由の一つが、断熱材の外壁への吹き付けができないことで、その理由が「隣の家が燃えても燃え移らない」防火規制なのですが、英国の例を見るに大規模火災の経験を踏まえた有用なものと言えるでしょう。

    一方で、アスクルの倉庫火災では規制に頼りきることが不十分であることが示されています。

    知恵を使って防げるものは防ぎたいものですが、まずそこまで見るための余裕がないこともー因ですかね。

  • #2

    今井 一光 (日曜日, 18 6月 2017 09:10)

    ありがとうございます。
    「断熱材が可燃性」という件、意外というか驚きでした。
    素材もそうですが「空気をたくさん含んだ」という感覚がありますので
    やはりよく燃えるのでしょうね。
    そういえばアスクルの件からは「一旦着いた火は消せない」を教えてくれました。
    我が国は「規制」がしっかりしているとはよく言われますがやはり人間がチェックする
    もので一筋縄ではいきませんね。
    「完璧の網」はもとより不可能でしょうしそもそも「手心」の存在も承知しています。