南蛮の嗜好品→受動喫煙病原 拙寺の壇特ダンドク 

受動喫煙の因果で年間に15000人が亡くなっているデータは去年の今頃、厚労省から発せられました(職場で男性3680人、女性4110人。家庭で男性840人、女性6320人)。

 

その現実的数値が顕わになってから丁度1年を経過した今、あらためてその驚異的数字を思うにその数の人たちがこの世から消えていること(肺がん、心筋梗塞、脳卒中)を思うと「いったい政府は何をやっているのだろう?!」という疑念が湧きおこります。

 

人口減少と医療費の負担増が国の課題であることはわかってながら小さくていかにも説得力のない理由をこじつけて「室内全面禁煙」を「決められない」理由とはいったい何なのでしょう?

 

受動喫煙を規制できないことにしろ国民を統制しようとする法案を強行することにしろそれらはまさに後進国の象徴ですからね。いやまっとうな先進国としての格式?(そんなものがあるかどうかは知りませんが)を標榜しないというのなら別に構いませんがねぇ。

これではいつまで経っても2、3流の国というレッテルを外すことはできないでしょう(経済一流、国民二流、政治三流)。

 

医療費については先月の厚労省の報告書から「喫煙で医療費1兆4900億円」の新聞記事の見出しが躍っていました。

もはや直接喫煙による患者数は100万人超え。

それらの人たちが入院等で働けないことによる「喫煙による生産性の損失額」は約2500億円。凄いに尽きます。

そして休憩時間を除く勤務時間中に、たばこを吸うために「席をたつ」ことによる損失額を5496億円と試算していました。

 

以前、会社同僚が仕事中に「さぁ一服しましょう・・・」などと言いながら居なくなることを嫌というほど見せつけられましたが、考えてみればその行為は職場放棄と同等ですね。

そんなとき喫煙習慣のない私が仕事を続けるなどしていれば逆に私のことを「煙たがった」ものでした。

 

以上喫煙に関する天文学的数字を羅列しましたが、いずれも歴としたお国の研究機関によるまっとうなものです。

 

たばこの葉の流入は南蛮船からというのが主説ですね。

慶長期ということですが江戸幕府は全面的禁制をとっていたといいます。

その理由は何にしろ、余程現在よりもまともに感じます。

結果的に健康被害はなかったのですから。

 

幕府弱体化とともに禁制はナシ崩しとなって庶民に広がり、いわゆる「嗜好品」としての地位を獲得したのではあります。

それが「疾病を惹起する」と確信を得たのは戦後になってからで、当時は今のように「受動喫煙被害」などの知識は殆どありませんでした。どこでもかしこでもプカプカやってましたね。

 

現在であっても「健康被害については根拠レス」を詠っているお頭の中身を疑ってしまうようなエライ人が跋扈する永田町ですから、国民はかわいそう。

ご自身が癌や誘引された何かしらの病でもって、床に繋がれて初めてそのことがわかるのでしょうから始末に負えません。

 

まあ、戦場での唯一の嗜みということで国がたばこ産業を育成したこともあって戦後以降の男子はタバコを吸うのは当たり前という風潮が出来上がってしまったのですが、その各疾病との因果関係とメカニズムが判明した今こそ、御英断をいただきたいものです。

 

さて、先日の水道管破裂の際の画像を見ていただきたいのですが赤い花がちらほらと写っています。

この花の名が標記の「壇特」(ダンドク)です。

人は「カンナ」と呼ぶのですが、その辺で見るカンナとは小振りです。実はこの「壇特」(ダンドク)はそれらカンナの原種といいます。

 

この花もタバコが南蛮船で日本にやってきたより少々後の頃(江戸初期)、同じく渡来したものです。

「壇特」とは釈迦修行の山(壇特山)の名からのもののようですが、そもそも熱帯地方をフィールドに広がった植物とのこと。

こちら相良が「暖地である」の一つの表れですね。

 

私の気づいた時にはこの花はこの時期になると花をつけていて、

いつからここに、なぜここにあるのかは知りません。

この場所はそう陽当りのイイ場所とは言えませんが彼らにとって居心地がいいのか、ハッとするようなあの赤とオレンジ色の可憐な姿を見せてくれます。

それとは対照的にタバコは肺と人の将来を真っ黒にします。

 

実生もチャレンジできそうですから、種が収穫できたらもっと陽の当たる場所に撒いてみようかと・・・同じような深い緑色の葉でハランが境内あちこちにありますが、こちらの「壇特」の赤い花はずっと楽しむことができそうです。