数ある「懸念材料」のうちの1つをこのほどクリアすることができました。
クリアと言っても事後案件対応ではありますが、「責任」という意味では寺もそれは不可欠であると思ったからです。
大袈裟ではありますが危機管理対応の一つであると解します。
ニュースにありましたがコンビニ(セブンイレブン)でバイトをしていた女子高生がやむを得ず2日間「出社」できなかったことへのペナルティとして40%の給与減額をされてしまったこと。
母親が問い合わせると経営者からは「ルールだから」とけんもほろろだったそう。ということで本社の「セブン&~」に問い合わせると「各店舗経営者の判断だから本社無関与」との談だったとのこと。
コレは明らかな判断ミスでしょう。本来ならここでクレームは留まって、対応が可能なのですがね。
敏感に人の話を聞いている姿勢があればあのようなみっともない(給料未払い)の件は表には出なかったというお話です。
ルールはルールでも給与減額の方がルール違反というオチでした。
何しろ親会社は大企業であるのにも関わらず「危機管理体制」がなっていなかったことを露呈したというところがお恥ずかしいのです。
表ざたにになったことで慌てたのか会社は女子高生に謝罪し減額した約9000円の支払いを店の経営者に命じたそうです。
休まれたことの腹いせなのかバイトの子から経営者が「9000円」を召し上げて、いわば雇用者(使ってやっているの感覚か)に訴えられそうになったことからその非を気づかされたワケなのですが、本心としては「まさか」と思ったかもしれません。
「ルール違反をしたバイトの小娘には私がお灸を据えてやる」という傲慢性も見えてきますね。
ちゃんとルールを守らないと痛い思いをする、「まさか」はどこにでも転がっているということを今一度知らされたのでした。
拙寺の危機管理体制、このほど「一つの安心」を得たのですが、それが「施設賠償責任保険」への加入です。境内での事故対応を考慮したものですが、厚い民事対応が可能となりました。
と言いながらも殆どが檀家さんへ「まさか」対応です。
木の枝、瓦等の落下物、石塔の転倒、蹴躓いての転倒、階段の踏み外しに転落等々。最近は寺楽市などのテント設置の際、人さまに部材が当たるなどということも想定できますし・・・。
どこかのお寺での判例ですが、境内で発生した事故につき、代表者の管理責任を問われて裁判となり何と1億円の請求金額があったと聞きます。
おカネで解決してもらうというのも致し方ない世の中で、これは管理者としては必要不可欠な手続きであったと思っています。
「被害者1名あたり1億円、1事故あたり3億円 免責なし」で1年間4930円は安い安心代でした。
さて、昨日は移民国アメリカに早く移住したものたちの権利について「早い者勝ち」という語彙を記しましたが、その少々稚拙に感じる語を基本としたルールは実は公正性を旨とする法律にものっとっている「重大な理由」ともなります。
「素早く取ったものが利益を得る」(先取特権)のは基本なのです。
大澤寺婦人部では阿弥陀仏の別名である「無量寿」を戴いて牧之原茶を販売させていただいていますが、この名を商品に記すにあたって商標登録を行っています。それは一見その名を他者に使用されない権利のように思えますが実はそれよりも重要な問題があるのです。
それは登録申請を行うその期日が早い方が往々に「勝ち」となるルールですが「商標登録」は先に使っている人の権利はある程度認められますが、登録が済んでいないうちに先回りしてそれを登録されてしまうと、面倒な事になりかねません。
身近な例では「PPAPの商標」の件がありました。これは「先回り登録」を商売にしている人がいるということです。
その方は他人さんであっても面白そうなまた流行りそうな語を片っ端から登録していて、それは年間数万に及んでいるそう。
一旦登録申請されてしまうとその人の「権利」が発生してしまい、イザ自身が作ったり命名したものであったとしても登録が遅れると先に着手した相手の「権利を侵奪」したということになってしまいます。
よって商標は当分期間使用ができなくなる可能性が強く、またどうしても使用したい場合は先取者の申請を下げてもらうしかありません。その際の申請を引っ込めてもらうための「手数料」を支払うことになります。
その取り下げ手数料を稼ぐために先回りを狙うというのがその方たちの目的なのでした。
これは何らのルール違反にはならないのです(実登録には登録料が発生しますので飯のタネにならない時は放棄)。
とやかく記してきましたが私もやたらに写真撮影してそれをブログに貼りつけていますので人の事は言えませんが・・・。
権利のハッキリとした主張があればいつでも削除しますがそのそもそもの「権利」について不詳のものばかりではあります。
表記「直虎花押」は実は商標登録がされています。
オリジナル原本「井伊直虎関口氏経連書状」を所有している蜂前(はちさき)神社ですね。
よって先日記したタオルは事前に許可を得ている筈です。
神社は三方原台地を井伊谷側に降りた台地の裾、「祝田」(ほうだ)の坂下にあたります(場所はここ)。
祝田といえば三方原戦いの本戦地といわれる場所でもありますね。
こちらの神社の所有文書(特に2通)は龍潭寺並みに今クローズアップされています。何といっても「直虎の花押付き文書」と「新野左馬助」の名が記されている唯一の文書が遺されている奇特な神社。
直虎の花押が押された書状は、「井伊直虎関口氏経連書状」と呼ばれ、永禄十一年(1568)十一月九日にそれまで今川からの指図をのらりくらりとかわしていた徳政令を受け入れてそれを発したその書面です。今回の大河ドラマ進行上、欠かす事ができないドラマがそこに隠れています。
なお書面は神社社殿内にレプリカが置いてあります。
上記風景で山の画像が2点ありますが、三岳山(城)⑤と井伊谷城⑬です。
井伊直盛書状は弘治二年(1556)に直盛が新野左馬助と瀬戸方久に宛てた書面、「祝田・鯉田年貢之事」。
両文書とも現在は浜松市博物館に委託されていて、現在はその企画展が催されています。
下図➂中井家文書、昨日記した井伊谷の新野左馬助邸宅が記されています。④には各井伊家屋敷に家臣団邸が。
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河東村出身者 (水曜日, 01 2月 2017 08:44)
PPAPの商標の件は明らかに冒認出願なので、ちゃんとした専門家に相談すれば解決するし、不正競争防止法等での対応も可能なので、マスコミの短絡的な理解や専門家軽視の方が問題と思います。
それよりも浜松市の直虎の商標の主張の方が無理ありすぎ・知恵なしなのが問題です。
小山昭治 (水曜日, 01 2月 2017 08:53)
寒々しい世の中です。
法律を作り自分自身をがんじがらめにしている様相。
人間の浅はかさとも思えます。
道路で転んでも訴訟ができる世の中、あまりにもわがまま。
いつからこんな世になってしまったのか。
いくら保険に入っていてもするべき注意等をしなかったら保険はおりません。
重々気をつけてください。
私共BSの活動も保険に入ったからか余計に危険予知などして
冒険、探検が出来なくなりました。すべてリーダーの判断でしなければなりません。
そうまで注意してボランティアは、危険なこと?はしたくなくなります。
いいわけでしょうか、わがままでしょうか。
今井一光 (水曜日, 01 2月 2017 09:29)
河東村様。いつもありがとうございます。
PPAPの件は売名いわゆる宣伝行為で商標に特化した先回り登録は
えげつなさを感じ、日本には根付かないでしょうね。
それにつきあって審査する特許庁の仕事は膨大になるでしょうし
審査に要する時間が増える要因にもなりましょう。
直虎のサインの商標登録は驚きでした。
拙ブログでもぺたぺた貼り付けていますが・・・
それも有るか無いか判然としない「権利」について主張されるのでしょうか。
どこかのつわものが無断で直虎花押Tシャツなど製作するなど一石を投じて
ほしいものです。
今井一光 (水曜日, 01 2月 2017 09:59)
小山様。いつもありがとうございます。
人権と民主主義の極まりというか「訴訟社会」への対応はやむをえませんね。
私も当初は自身の得意分野と境内にあるものをフル活用し「ツリークライミング」を
眼前に広がる駿河湾に連れ出して海の遊びを・・・などを子供たちに体験させたい
という夢がありました。しかし怪我や事故の事を考えるとそれらは「絵空事」と
萎縮してしまいました。
特に私の場合は寺と檀家さんとの関係であり継続的な関りがより深いという特異な立場にあって相互信用に関して一切のわだかまり(訴訟等)はありえないという感覚があります。
学校の運動会の種目がどんどんソフトなものに変化しているようですが、それも致し方ないのかもしれません。
「権利」と「責任」の範囲とその感覚が広くなっている社会です。
野村幸一 (水曜日, 01 2月 2017 15:53)
直虎わたくしも観ております。ドラマの内容は今の所イマイチですが、井伊氏には興味が出てきました。まさか浜松がルーツとは無知な私はビックリです。井伊イコール彦根…でした。
私のルーツのひとつに浜松もあります。父方が古山から外波山と苗字がさかのぼります。外波山という苗字は除籍謄本で初めて知ったのですが、どうも浜松が発祥のような感じです。気になりますが調べる術がないので諦めました。
昨日、石山本願寺日記を借りました。パラパラみておりますがよくわからないです…まあ、日記ですからいちいち解説などありませんね。半月、延長して1カ月あるのでのんびりみてみようと思います。
今井一光 (水曜日, 01 2月 2017 16:37)
野村様 いつもありがとうございます。
外波山姓は今も圧倒的に浜松に残っていますね。
今後注意してみようと思います。
さすがにその書物とのにらめっこは辛いかも知れませんね。
特赦性もありますが
私のブログと同じ「断片的」ですからね。
野村幸一 (木曜日, 02 2月 2017 00:41)
先のコメントに書き忘れましたが、直虎の花押がカッコイイです!戦国時代の花押のデザインはどれを取っても絶妙です。僕も去年試行錯誤しながら花押を作りハンコ屋さんで花押印まで作ってしまいました。それを売りにしているハンコ屋さんがあるのです。
とはいえ閣僚でもないのでなかなか花押を使う場所がないのです(爆笑)なので、次回クレジットカードの更新される時に名前プラス花押をサインにしようかと思っています。
今井さんもひとつ花押どうですか?(^^)
今井一光 (木曜日, 02 2月 2017 09:55)
ありがとうございます。
花押の使用は今や余興の域ですね。
それは歴史の中でのお楽しみにしておきます。
英訳すれば「サイン」、あの大統領を思い出してしまいますね。