今年こそご縁を 六道絵拝観   紫雲山聖衆来迎寺

今日も午後から御日様カンカン照りで梅雨の候とは嘘のよう。

おそらくこのまま梅雨明けしそうな雰囲気です。

拙寺の盂蘭盆会法要の最後は8月15日とこれは毎年スティックです。まぁ今年は殆どの法要が7月に集中していてもうそろそろピークアウトしつつあるところ、8月には比較的自由になりそうではあります。

 

8月15日の法要のスティックは一部檀家さんには少々ややこしいことになりました。その日の夕方にはこれも日にち固定された「灯篭流し」という牧之原市や観光協会の肝いりの行事が入いるようになりましたので・・・。ここ2年、そのイベントのスタートとなる法要は息子に出席してもらっていましたが、既に彼から「今年はわからない」という連絡を受け、私にとっても少々ややこしい状況になっています。

先のことはわかりませんが、翌日の8月16日に今年こそ是非に行きたい場所があるからです。

 

ちなみに恒例行事となった相良灯篭流しについて、そのほとんどが地区有志のボランティアということですが、裏事情として「そろそろ勘弁してほしい」というボヤキの声もチラホラ聞こえてきています。

ボランティアは暗黙の強制のような雰囲気が漂っているようですが、「やらない人はやらない」ので不公平感が出てきているようです。どこでも同じですね。

 

さて、その私の微かな願いとは近江方面へ出かける事。

お盆明けという事で車の混雑はそうはないかと思いますが、何せ遠乗りは早寝早起きが基本ですから。灯篭流しの方は気乗りがしませんね。

 

「8月16日」情報はまず間違いないところだと思いますが、昨日記した紫雲山聖衆来迎寺の年1回限りの特別拝観日、その日だからです

「行きたいなぁ~」と思っても1年待ってたった1日限りですから、そう簡単にスケジュールは合いません。

何といってもお寺にとっては比較的バタつくシーズンですから。まぁ16日ということは微妙にそれを外していることはわかりますが・・・。

 

昨日のブログにて記した源信(恵心僧都)の開山堂の案内板にありましたように山号の「紫雲」はそのパープルカラーの雲に乗った阿弥陀の来迎の姿を源信さんが「感得」したものですね。プリンスのパープルレインではありませんが、そのお迎えの姿は想像するだけで荘厳とクールさを感じます。

 

また拙寺の宝物として代々「源信さんの御軸」について伝え聞いていた身としてはそちらの寺の由緒とさらに伝わっている宝物については興味が湧くというものです。

 

それは絹本著色、国宝の「六道絵」のこと。

源信さんの「往生要集」からの15幅。これらは通常時は東京・京都・奈良の各国立博物館と大阪市立美術館、琵琶湖文化館に寄託展示されているものですが、この日にすべてのものが「帰省」してくるのです。

観心十界曼荼羅」好きで現世日々地獄世界を見せつけられている私にとってその「六道」の絵図の拝観は大いに興味あるところです。

 

予定が予定として確定できない仕事をしていて当日の天候にもよりますが、私はそれのために意識的に8月16日には何も入れていません。

 

③白壁の向こうに比叡の山並みのはしくれが。

④門の奥に控えるのが開山堂です。

最後の画像が拙寺に残る阿弥陀三尊の来迎図。紙本でくしゃくしゃで煤けていますが室町以前という御指摘もあるものです。

うすぼんやりと「紫雲」がわかります。

こちらが「来迎」の色ですね。

真宗では「来迎は無い」が主旨(「既におわします・・・」です)ですが、やはり吸った息が吐けなくなったその時、こちらの色が瞼に現われるのが希望ですね。

それを意識して生活することが十分に日々の生き方にリンクしてくると思っています。