菊川にて小和田先生講演 井伊出自藤原南家説

最近2つの自治体の初耳のイベントに触れる機会がありました。その共通のイベントタイトルに入る語が「おんぱく」です。

だいたいのその言わんとする雰囲気はわかりますが、私の住む牧之原では耳にしたことがなかったので、当初は「?」ではありました。何やら市民でまとまって自ら盛り上げて他所より人を招くという企画で「頑張ってる」様子をうかがうことができます。

その1つは藤枝のものでしたが、そちらは先日終了したばかり。そして昨日は菊川のもの、そちらでの出し物の一つが小和田哲男氏の講演会でした。

 

事前にチケットは入手していましたが、先生の講演会にしてはお高い部類で2000円。

というのは私がこれまでお邪魔した会の殆どが無料でしたから・・・。会場は菊川病院の北側の「アエル」という施設。同時開催で「遠江の今川氏」というパネル展が開催されていました(19日まで)。

 

小和田先生の活躍ぶりはここにきてますます盛んのよう。

人気も「さすが」と唸らせるものがありました。

今回の定員は当初120名(小ホール)としていたそうですが、予約の段階でオーバーして枠を急きょ増やしたとのこと。

おそらく3席用の机席を2名計算で募集していたようで、それを途中からフルにしたのでしょう。それでもキャンセル待ちが並んだと進行係が仰ってましたので驚きです。

驚いたのは頭をよぎる「180名」×2000円の数字。ちゃっかり「儲かってるな」と思うのはゲスっぽい?

私が知っている限り、自治体の教育委員会が主催する先生の勉強会等はタダが基本ですから。

 

ちなみに11月13日(日)の牧之原市の主催する勝間田小学校での先生の講演で聴講料を取るなど聞いていません。

しかしながら、終了後の質疑応答の場面では、いつもと違って質問者が少なく、呆気にとられました。

小和田先生に限らず大抵はこの手の歴史講演では、あたかも自身の知識をひけらかすような意味不明の質問がつき物なのですが、何となく会費2000円の設定が、その手の輩を排除していたのかも知れません。

本当に珍しいことでした。

 

勿論私は最前列。他者の頭を拝みに来たわけではありませんので、そこの「定位置」は譲れません。毎度新しい発見があって興味深い90分の会であっという間に過ぎてしまいました。

特に来年の大河ドラマの「井伊直虎」についてのさわりの部分というかその方向ですが、岡本幸江チーフプロデューサーを制作統括として採用、やはり時流の「女性の踏ん張り」をやはり女性の目で描かせてみようという方向のよう、楽しみです。

 

また新野左馬之助はストーリー全体で主たる配役になるそうで、かなりの頻度でシナリオに登場してくるようです。

いよいよ池新田の新野に人気が出そうで楽しくなりそうです。

 

脱線しますが、私は井伊家に代替わりでそれぞれ仇となる小野和泉守道高(政直)と息子の但馬守道好(政次)の役どころだけは興味あります。それらは今でいう嫌悪すべき人種ですから。

要は身内の敵役です。

役者はそんなニュアンスはわからないで配役を受けるでしょうが、おそらくシナリオを見て仰天するでしょうね。

このうえない「嫌な奴」を演じる事になり、全国総好かんを喰らいそうな役回りです。

要は御屋形駿府に嘘のチクリを入れて井伊家の苦難を導く大要因になる親子ですね。面白いのは親子が同様にして同じように駿府の御屋形の代々(今川義元-氏真)に讒言を入れるところです。「血は争えない」をまざまざ見せられることになるでしょう。

 

本日の話の中で出た「ほう・・・」と思う話を記すと・・・

横地は姓では「よこち」だが、地元地名では「よこぢ」と濁るそう。初耳でした。

また、井伊家出自を表わす家系図は「寛政重修諸家譜」からの「藤原北家」説が主流で勿論井伊家はそちらを採用しているのですが、実は後世学者の調査によって作成された系図(宝賀寿男 「古代氏族系譜集成」)によれば「藤原南家」が大元であるという説もあるそう。

小和田先生は後者の「藤原南家流が妥当」とのことでした。

そうなると、伊豆の工藤・伊藤あたりから遠州の相良・勝間田・横地まで鎌倉御家人の祖と同系統ということになります。