昨日のお斉でのお話。
牧之原台地(通称「原」)にて何代前からお茶農家を営む方たちでした。牧之原に限らず「お茶世界」の厳しい現実を赤裸々に語っていました。
①茶葉の価格は買い手が決める
②それは茶相場に左右される
③それは大手茶屋の意向
④よって今は「茶葉」専業農家はやっていけない
⑤離農が増える
⑥農地に借手があればいいが不適地は荒れる
⑦借手は大手茶屋に集約されている
聞いていればお茶農家のシステムは「奴隷」のようなものを感じました。アメリカ大統領もびっくりでしょう。
特に価格設定権が生産者側にないなどという点はいかにも旧態依然であらためて驚きを感じました。
零細茶農家は「年金喰い」(年配者が多い)ともいわれているようです。利益が出ないところに買い取り業者の「指導」するままに肥料等を購入しつづければまずは赤字に陥ってしまうということでしょう。
よって零細農家は自分の懐事情を考慮して、適切な施肥を省略しがちになるそうですが、そうなるとそれが結果(成長と味覚)の差となって出てしまうそうです。味が劣るとなれば引き取り手は不在、チェーンリアクションとなるわけです。
最近は海外市場への道という方向性があるそうですが、それもなかなか厳しいそうです。各国まちまちで肥料等使用農薬の指定があって所定のものあるいは数値がオーバーとなれば輸出は不可能とのこと。
以前はアミノ酸事件も聞きました。
私はこれは宇治茶(といっても京都産ではない周辺地産)にあったものと聞いていましたが、牧之原でもあったらしいですね。
茶モミの際だろうと仰っていましたが、いわゆる「味の素」水溶液を混ぜ込むというインチキです。
ただし今は安心してください。
最近は、まずは抜き打ちサンプル検査というものがあって何かのルール違反がバレれば「永久追放出入り禁止」となるそうです。高性能の検査機器が揃っているとのこと。
お茶ではなく最近流行っている自然薯ですが、その検査で何がイケなかったか「クロ判定」が出て、「トラック一台お持ち帰り」というのを見たことがあるそうです。
そこで思うのが、ではその自然薯はいったい「何処に・・・」ですね。それはカンタンでしょう、例の廃品業者の件を思い出してください。引き取る闇ルートはいくらでもあるのですね。
「出どこは聞かないでください」というヤツです。
世の中に安いものが溢れていますが、安いものはやはりそれなりなのです。「サービス」もそうですが、道具なら使えない、スグ壊れるで済みます。しかし特に食品の「安い」は飛びつきたくないですね。ウラに「何かある」を考えてください。
何より自身と家族の健康のためにです。
さて、お斉での方々の昔話。
実家は茶葉生産に蒸しと手モミを行っていた農家です。その火力は石炭で10mほどの煙突が建っていたそうですが、スグ近くに飛行場ができてしばらく、煙突撤去命令が来たそうで、作業場ごと移動させられたそうです。
飛行場とは大井海軍航空隊の牧之原飛行場のこと。
子供の頃で面白がって見に行ったそうですが、飛行機がやたらと周辺に堕ちてきたことを覚えているそうです。一番印象に残っているのは3~4人乗りの練習機(白菊)が並走して低空で飛んでいる時、主翼どうしが接触して2機とも目の前で墜落したこと。
あっというまに「ドカーン」だったと。
飛行機が堕ちると駆け足で見に行ったそうです。
そこで見た光景はつるはしで遺体を掻き出している様子。
白菊は練習機でしたが特攻機としても編成されていました。「戦争」をすることは国が決めますが、「基地を作るのでどけ」のお上の指示に苦渋を飲まされ、軍人でも下っ端練習生と前線の兵は無意味な死を強いられるのが庶民の被る戦争の惨禍というもの。
この飛行場の設営のために台地の平たん部をお国が接収。
約200戸が土地を明け渡したそうです。
画像は「牧ノ原コミュニティセンター」(場所はここ)とその近く。
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くりくり (月曜日, 22 2月 2016 23:25)
うちの畑は茶畑の真ん中にあるのですが
最近とみに放棄茶園が増えてきました
飛行場のことは華やかな面だけでは語れない
暗い歴史がいっぱいありますね
今井一光 (火曜日, 23 2月 2016 13:11)
ありがとうございます。
茶産業の衰退はもうどうにも止まらないところまで来てしまっているのでしょうか。
静岡県民として辛いことです。
匿名 (金曜日, 17 6月 2016 12:13)
1度観光をしたいです
今井一光 (金曜日, 17 6月 2016 14:04)
ありがとうございます。
茶園はちょうど緑まぶしい時期。晴れた日の散策は気持ちがいいですよ。
是非にお越しくださいませ。