南朝スポンサー時代 井伊の遠州最後の城  大平城

昨日は報道でもありましたが、新東名延伸(浜松いなさJCT-豊田東JCT)開通の日でした。

私も14日日曜日は法事を入れず、伊平地区の十一面観音の御開帳拝観がてらに、あちらの方向へやみくもに向かおうとしていたもののどうやら日曜日には低気圧の通過で嵐の予報。

気象庁からも「不要不急の外出」を控えるよう伝えているくらいです。

本堂も午前中ピークの「南風」を予想して、正面の戸に閂を入れて準備OKです。さすがに外出はきびしいかと・・・

 

高速道路といえば今、牧之原-静岡間で盛り上がって? いるのがスマートIC。

高速道路の便利設備でETCカード専用の入出路です。

余計な遠回りをしなくていいので、行きたい場所の近くにこれがあれば「もってこい」、使用しない手はありません。

直近では来月12日(土)に開通予定の「大井川焼津藤枝スマートインターチェンジ」がありますが、こちらは牧之原市民にとっての利便性はさほど感じない位置でした。

150号線に近くて、静岡方面に出るのに吉田I.C.はいらないかも・・・と思えるところです。もっとも私の場合は牧之原I.C.が完成してからは「吉田」の利用は殆どなくなってしまいました。

藤枝と焼津西部居住者専用の施設という感があります。

 

東名高速の西方向では遠州豊田というSA付属のそれを利用することが多いのですが、新東名高速を走っていて、「ここからも出られるの・・・」と感動させられる場所がありました。「NEOPASA浜松」です(場所はここ)。

 

こちらで降りれば「浜松北」を利用しなくとも先日記した宮口岩水寺に行くことができます。

一昨日記した三岳山の直下には新東名高速が貫いていますが、三岳城落城寸前にバラバラになった宗良親王はじめ南朝方は、殆ど今の高速道路沿いの谷山を東方に敗走し、手近な次の城に逃げ込みました。

 

その城が大平城です。

この大平城の位置はまさに「NEOPASA浜松」の北側の谷を隔てた丘の上にあります。⑪が登城口から見あげたSA(上り)の様子です。

 

SAを降りて68号にぶつかったところを右に出れば私が当初読めなかった難しい字「麁玉(あらたま)中学校」になりますが、左方向の谷を下っていきます。そちらにも「あらたまの湯」なる施設がありましたので、地元では当たり前のような名称なのでしょう。地区的名称は「四大地」(よんだいち)で興味が湧くところでもあります。

その坂を下り切った場所が「灰木」です。

この地名も今のところ詳細未調査ですが、字からは単純に「灰燼」をイメージします。大平城が落城しているという事前情報があればなおさらです。

 

この谷は井伊谷を流れる都田川に合流するその支流、「灰ノ木川」が削ったものでしょうが、「灰木」地区に入ってその川に掛った橋を渡ることになります。

その橋の名称が「城址橋」②③④。

橋からスグ左の丘の上がSA。そして走ってスグ右側に「五体力神社」があります。これは大正時代に地元の有志によって建てられたものですが、この「五体力」に関してはその由縁が記してありました⑩の石板。

 

これは維新後の南朝方再評価、武士方足利幕府(特に足利尊氏)を罵倒する風潮が重なったころの流れですね。

南朝方宗良親王を守護して奮戦した南朝方5人の武者を祀った社だそうです。

 

登城については神社側からのものと街道沿い駐車場の城址橋側の登城口がありますが、断然後者をお勧めいたします。

後者の案内版(最後の画像)には「おすすめしないので神社後方の道を」選択するように記されていますが、コレは逆です。

おそらく倒木と谷の道悪について指摘しているのだと思いますが、神社方の方は⑫⑬画像の如く下り道の足元が見えないほど覆いかぶさる難所があります。真冬でさえあの有様ですから夏場など行けたものではありません(ただし登城選択は自己責任でおねがいします)。

 

石標の上部が本曲輪⑭⑮から東、西と曲輪が尾根伝いに連なって各曲輪とも段差と帯曲輪の二段構成で連結されている感じ。東曲輪には北側、西曲輪には南側に帯曲輪が連なって本曲輪下を通って追手(大手)道との連想です。

西の曲輪の前は谷になっていて、本曲輪よりもこちらの方が守備的に有利な感じがします。

 

南朝方としては本城三岳城を落とされての敗残兵の集まりでしかなかったような状態だったでしょうから、圧倒的勢力の足利勢の力にはまったく歯が立たなかったかもしれません。

 

 

この戦いに生き延びた井伊はいよいよ「武士」として生き抜くための戦後の術を得ていくことになります。

宗良親王の方はそれからも支援者の無い長い逃亡生活が続きます。

 

城内、各掲示板の残骸が散見できますが、今は殆どメンテなしの感。文字も判読不能、かつて「何か記してあった」ということが分かる程度のものばかり。