正月帰省中の友人-墓道氏と話す機会がありました。
「大河ドラマいつから?・・・」から始まってドラマ談義。
まず、「真田丸」についてです(1/10開始です)。
彼は「テレビ党」(時に「ラーメン党」)のうるさ型さんで、番組が始まる前から注文をつけていました。
まず三谷幸喜氏の脚本は肌に合わないとのことで、前回の「新撰組」も2~3度見てやめたと。他の彼の番組も見ないようにしていると手厳しい談。
そしてあの信繁の兄貴(真田信幸)役が前回の煩い連ドラ「まれ」の父親役だった人で「かなりウザイ」と。
まぁ私も同感ではあります。
あの人と聞いた時、信幸を「いかに軽い人物」として描くのか・・・とも考えてしまい、少々ガッカリでしたね。
真田信幸の正室(小松姫)は本多忠勝の娘で、徳川家に近い役回りとなりますので尚更です。
そしてその次の大河ドラマに決定している「井伊直虎」について。
「今イチマイナーな人(全国区でない)でイケるのか疑問」と。鋭いところを突いています。だからこそ異例の早めの決定告知だったのでしょう。
何度もブログでも記していますが、この人を描くということはありがちな「女主人公」で視聴率をあげたいという気持ちよりも、真に戦国時代というものを描きたいという気概が見えてくるのですが、それはちょっとほめ過ぎ、期待しすぎですか?
「直虎」は一見マイナーで他の名だたる武将たちと比して見劣りはするでしょう。
しかし「戦国時代」とはどういうものだったか、国人領主たちが同じ国人領主から一歩抜きん出て戦国大名化した勢力(松平-徳川)や既成の守護家(今川・武田)・守護代系(織田)が戦国大名化した者達の進出にどのように立ち会って「家」を一所懸命に守ったかというところでは一番に描きやすくわかりやすいところだと思います。
度々記しますが、「遠州忩劇(そうげき)」といわれる「まさに戦国」を象徴するような時代と場所ですので、戦国時代を真に愛する者にとってこれほどピンポイントなスポットライトは無いのではと思えます。
あの頭陀寺のサル(秀吉の小僧時代)は勿論、桶狭間後がその争乱に拍車がかかりますので信長もちょい役では出てきましょうが、現場はあくまでも遠州国内ということです。
直虎の没年は天正十年の八月ですから、永禄三年の桶狭間がオープニングと考えれば約22年間のストーリーですね。
エンディング近くには「本能寺」(天正十年の六月)もしっかりと、そのあたりの醍醐味も入れられますし。
まぁ別の見方をすれば戦国時代の一番面白いところなのです。本能寺以降はどうも面白くないですね。棚ボタ秀吉の悪趣味と老害が際立ってしまうところです。
またその時代の遠州は家康の躍進の時代でもありますし。
さて、井伊家に関わる各方面領主たちには今川家由来の新野氏や松下氏があって、それぞれ姻戚関係がありましたが、(直虎近くの系図)この井伊谷には、まるで映画のタイトルになりそうなフレーズがあります。
それが標記「井伊谷三人衆」なる語。
井伊家でも突出した猛者ということでしょうが、菅沼忠久・鈴木重時・近藤康用のことを言います。
菅沼家の家紋を見ると、「品」という字のように見えますが一瞬「四つ目結」の変形バージョンで近江佐々木系かと思いました。しかしこれは早とちりです。
正式には「菅沼三つ目」と言うようですが、説として土岐頼康の曾孫が三河額田郡菅沼郷に住んだことが始まりとのことです。
そちらから各分派を重ねたようで、主に三河の島田菅沼、野田菅沼、田峯(だみね)菅沼、長篠菅沼が代表的です。
長篠菅沼氏二代目当主の二男からさらに派生した都田菅沼氏の3代目?が菅沼忠久のようです。
当初から都田菅沼氏は井伊家に仕えていました。
今川家陪臣ということですね。
菅沼忠久は永禄十一年(1568)に田峯(だみね)菅沼側から家康に付くよう談合されてその際、三人衆こぞって今川氏真を見切って寝返り、家康に付いています。
家康はこの三人衆の手引きで豊川、宇利を経て陣座峠を越えてから奥山―井伊谷に入り、そちらから一気に曳馬城を落して「浜松」ベースの元としています。
この三人衆の反旗と井伊家の独立が家康の侵攻と氏真の退却という形勢の差につながったともいうことができますね。
その後彼らは井伊直政に仕えて転戦。
忠久はやはり天正十年で亡くなっています。
子の忠道も直政に付いて長久手や関ヶ原と転戦しています。画像②③は菅沼忠久 忠道親子の墓石(龍潭寺)。
おそらく忠道の方だと思いますが崩壊が激しく、石ころの如く風化していました。
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クリクリ (日曜日, 03 1月 2016 11:47)
本年もよろしくお願いいたします
今年も折に触れてコメントしていきたいと思っています。
戦国時代をどう見るかですが
やはり、勝ち組より、圧倒的に負け組が多いですよね。
だれでも出世できるなんて画餅で
今の地位も地盤も一瞬にして無くなる様な時代ですね。
とはいえ、ドラマはあくまでもドラマ、波乱に満ちた展開を期待しましょう。
遠州忩劇のど真ん中、東遠地区も地域で盛り上げる気あるのかな。
今井一光 (日曜日, 03 1月 2016 12:19)
ありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いいたします。
戦国に限らず敗者の一所懸命は感動に価します。
余裕綽々で勝利をおさめ、カネにものをいわせて
周囲を煌びやかに飾る君臨するトップ独走、戦国安定期とも
いえる安土桃山時代よりも
この遠州忩劇は数段面白いと思います。
あと1年ありますので、シナリオを先取り予測して各地、盛り上げて
いただきたいと期待しています。