世は御利益流行りのよう。
御利益なる「参拝に対価を求める」という、
真宗寺院が前面に御利益を唄わないのは阿弥陀仏一仏だからですね
仏の前に出て手を合わせた際の人それぞれの心中は計れるものでは
本来は心の中に仕舞っておけばいいものですが・・・。
ちなみにその手の代表的な「願」ベスト5とくれば病気平癒、
その庶民が何か「密かに願う」
能書きの効果が出なくても薬事法等の規制はありませんし、
しかし境内賑やかというのは何とも羨ましいことで、
「御縁」という言葉もあってそれに尽きます。
「病気」は「生老病死」
祈願して入試に合格すれば日々の努力は不要だし、そして「厄」
「そんなものない」
忌避したいことはたくさんあります・・・そこのところはどちらも人々の「切なる願い」ですので、
そこで残ったのが「縁結び」です。私はコレを選択したいですね。
そのような「不純な動機」は勿論ありますが、現状「
先日あった当流教区の「組」のミーティングで来年6月頃にある、
そこに
若手の寺院住職が別れ際に「
ということで来年はその実現を目標に動きたいところです。
さて、こじ付けの方はといえば何といってもナギの木。
ブログでも何度か記していますが境内の梛(ナギ)といえば頼朝と政子の逢瀬のステータス。その葉は強靭でちぎれないということから「男女の契り」に譬えられます。
一発そこのところ狙ってみましょうか・・・。
それから一つ、「こりゃたまげた」の感、最近俄かにはやされている「こじ付け」は・・・あの・・・♡マーク。
意味不明の方がいらっしゃると思いますので追記しますが、この「印」があることに目ざとく見つけたどなたかが「恋愛・良縁成就、縁結びに」と言い囃してから、世の女子供たちが寺社に集まるようになって我も我もと後発組もそれに便乗しようと名乗りをあげだしたというものです。
しかしこの御しるし、♡のマークは今いう♡の意味ではなくてずっと古い時代からある「♡」のカタチ」なのですね。
しっかり名称もあります。寺社の忌避すべきものへの願いのカタチです。
「猪の目 猪目―いのめ」と呼ばれています。
鵜の目鷹の目という諺がありますが、まさにそれ。
「眼光鋭く、外敵から身を守る」「常に監視する」ための「目」を意味しているのですが、今ではそんな意図など女子どもはまったく意に介さずただ自分たちのイメージだけで想像力を膨らませながら事を進めているというのがこの特異な状況。
①は当家の・・本来野生出身のもの。
その本能は尚発揮され鋭く機敏な反応をします。黒目は何となく♡型のようにも。
イノシシの肉は昨日もトン汁に化けて食卓に上りましたが彼者の目のイメージが♡とは若干の違和感はあります。しかし野生動物の鋭い嗅覚と触覚をも含めた司令塔でもある視野感覚の象徴である「目玉」は古来から人々はそのカタチに崇敬の念を抱いていたことは確かです。
その崇敬が今の♡のマークへの憧れに変わったとしても女子が「野生的な目」に惹かれるというのは日本人の心底に流れる文化のDNAといってもいいのかも知れません。
しかし寺社が「うちにもそのマークあり〼」というのはちょいと鼻から息が漏れてしまいます。
ハッキリ言って「♡マークを探せ」風に身近な寺社へ行ってみるとまずそれはありますよ。まず「どこにでも」と言っても過言ではないでしょう。
取り敢えずまず、懸魚(げぎょ 当ページ一番上の画像)という寺社建築物の破風板中央に吊り下げられた飾り物を見てください。コレには大抵その猪目が見られるでしょう。
ただたまたま拙寺本堂の懸魚には♡マークは無いようでしたが、その他の部位をざっと見て行けば結構ピックアップできます。
ただし何と言ってもおすすめは京都東本願寺。
先日も画像をアップしていますが、青赤緑白の♡型をあしらった「釘隠し」ときたら何ともおしゃれ(画像②)。
「菊の御門」(画像③)などもレリーフから彫り物までそのマークを数えていたら日が暮れそう。裏側からよく観察できまよ。
本山あたりでこの猪目の数を数えまくったらいったいいくつになるのでしょう。それを数えて正解を競うなどというイベントもアリですね。
それほどお寺や神社に普通によく使われているカタチなのでした。そのカタチを装飾の中にさりげなく入れるのが職人の技であり文化だったのです。
④⑤は拙寺山門の破風懸魚に鬼瓦の♡マーク。⑥は庫裏の御内佛。ということでどこの家でもご自宅の御内佛金具にもそれがあるかも知れません。各各要チェックです。
⑦は本堂入ってスグ、見上げてください。
⑧⑨⑩はお馴染み「六葉釘隠し」。「四葉釘隠し」は門の金具装飾につかわれていますので東本願寺の門を探してください。やはり葉と葉の境には♡マークがあるものです。
⑪⑫は御本尊阿弥陀如来須弥壇装飾。探せばかなりあります。
⑬が庫裏の丸尾月嶂の小襖取っ手の♡。
最後の釘隠しが拙寺本堂にもよく見かけるもので「唄 ばい」と呼びます。
御利益は唄いませんが「唄」で体裁を飾ります。
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