感謝と謝罪の言→いいよぉ~  「 恕」はイイよ 

私が相良に来て寺に入ってから、これは温かな「風習だなァ」と感じたのは檀家さんの、特に奥さま方に接した時でした。

新米で何もわからずに右往左往しながらも相手様のご厚意に甘えた時、まぁそれはしょっちゅうのことですが、当然に当方からは「ありがとう」や「すみません」「ごめんなさい」が口から連発することとなります。


そんな時、お相手様の返答は大概「いいですよ」とか「(そんなに感謝したりかしこまらなくてても)いいよぉ~!!」ですね。

先般NHK静岡で相良へ疎開にやってきた子供たちについての放送がありましたが、私はこの語こそが疎開した方たちが言っていた「温かな」遠州人の代表する寛容性を表す言葉だと思っています。

ただし相良の人の傾向はどこかでも記したように「負の歴史的DNA」を背負っていてその培った「厳しさ」も持ち合わせていることは確かですが。


ただし私の仕事はお寺にて仏飯を食む身。この仕事にはどんなにお相手さまが「このクソ坊主」と腹が立とうとも「んー」と堪えてまずは我慢していただける傾向があるのです。世の中には「坊さん怒らせてどうするの」という暗黙の了解があるのでした。あるいみ特別な仕事ですね。ということで「美辞麗句と寛容」については半額以下と見積もることは必要ではありますが、そのことを差っ引いたとしても遠州人の温かさは特筆できるのです。道を聞いた時の「尾張のつっけんどん」もどこかで記しましたがこのことの地域制は各別です。


そういうぬるま湯に浸かった世界に居て逆に「育てられている」という立ち位置も理解せず、「成仏」「供養」「祈願」を「○○してやる」の如く上から目線の特殊地位を誤解対応してきたせいで今のお坊様たちの信頼というものが無くなっていきつまるところ寺や仏教そのものへの不信へと繋がって行ったということは先日も記しました。

その特殊性を強く打ちだして「特殊な能力」が備わっていると吹聴し「病気」まで「治してやる」と言い放ってから「何かしでかす」(違法行為)ところまで行きつくと逮捕されてしまうワケなのでしょうが。

「要は人の弱みに付け込む」というスタンスが「坊主の主たる仕事」と解されてきたというところが今の仏法瓦解の序章となっているのかも知れませんね。


ということで坊主の方もまず、「恕」の心は肝心。

人間だから腹が立つこともありましょうが、檀家さんのその寛容を学びましょう。


これまで「恕」については何度か記していますが(20150607

20150908)、本日は「お笑い」の世界から。

最近は「よしもと新喜劇」からは離れていましたがそちらです。ちなみに私はテレビのバラエティものや関東系お笑い番組は一切見る事はありませんが、何故か「新喜劇」だけは見ます。

小学校で仲良くしてもらった同級生Iクンは現在どちらかの劇団で活動しているようですが当時彼は新喜劇の絶大なるファンで(以前は関東でも放送している時が幾度かありました)、学校でよくそのネタを披露していたということもありました。


新喜劇のノリ突っ込みの早さは頭の回転にイイということもあってあのスーパースペシャルワンパターン化したコテコテのお笑いは週一の生活エッセンスともなるのでした。

そしてパターン化したお笑いの中でも「変化」と「新鮮」に遭遇した時は特に嬉しいですね。


新喜劇の中には各座長が5人ほどいますが、私は特に「辻本」系を面白がって見ておりました。

その劇もそろそろパターンに飽きが来ていたところでしたが、今年から「アキ」という芸人が出演するようになってから面白くなってきました。

機敏な動き(元スタントマン)とダンス、アドリブが好評化で関西ではミニブレークしているようですが、かん高くてかすれたような声から出る今一番の持ちネタ「いいよぉ~!!」の大ファンになっています。その際はことに「優しさ」を感じます


座長辻本との絡みですが(どうやら座長が一番信頼を置くようになっているようです)、辻本が「すみません」と謝ると、強面のアキが「いいよぉ~!!」と、発します。あり得ないような状況でも必ずです(彼の持ちネタですから・・・)。


いいですねその「恕」の精神。

私は大いに学んで、我家ではそれを真似て今や「いいよぉ~!!」の連発。檀家さんと話をしていても「いいですよぉ~」などと言って内心ニヤついていたりします。


劇中では窓から外に落とされたり、斬られたり、撃たれたり、かなり非現実的無茶苦茶さで、その言葉を発する状況には普通は無いところに、ソレで笑いを取っていますが、もしどんな時もその言葉が発せられたら「喧嘩」や「紛争・戦争」は無いのだろうと感じる次第です。

時々「いいよぉ~!!じゃ、ないよぉ~」もありますから「ムリ」なこともあるようです。

借金取り役は黄色のスーツ、女役の時も衣装の色は黄色系。黄色は「平和」のイメージです。


彼はゆくゆく座長に昇進するでしょうが、東京デビューも近いかも知れません。その時はこちらでも楽しませていただきましょう。今は東京・中部地区ではほとんど無名でしょうが。

ユーチューブでもカンタンに見ることはできますし「新喜劇 アキ」でググって「黄色」を探せばOKです。


画像は居間の壁に佇むネコども。

ネコ座長の新旧入れ替えもあってこの者達が今私を癒してくれます。彼ら世界には時折のプチ紛争もあるようですが、スグに「いいよぉ~!!」の如くで仲直り。夜間暗がりで尻尾を踏んづけようが蹴飛ばそうが寝返りした時ぶん殴ろうが「いいよぉ~!!」です。ああ「寛容と恕」は私の師匠です。