没落家系の理由としてよく当主の悪癖について語られます。
ここ相良は家康の陣場から始まって特に漁業・海運業の発展を遂げますがその中、時代の変遷で家業の衰退というものはつきもので、「そのことがあったために・・・」といった、今となっては笑い話的経緯を聞かされることがあります。
この原因は殆ど今も同じ「酒と女と博打」ですね。
その3種はどなたも同様(女→男 男→男?)に1つくらいは趣向があるもので、中には「浅く広く多様に」という御活発な方もおられるかと思いますが、主に「身上(しんしょう)を潰す」理由はそれらのどれか(時として複数)に「深くのめり込んで」しまったこと。
特に博打の話は良く耳にします。
一昔前なら花札、サイコロに始まって警察のお世話になってのお仕置き付きから、特に公営ギャンブル各種揃う、と言っても首都圏とは比較になりませんが、この地は色々揃っていて(静岡競輪場に浜名湖ではオートとボート等々)それほど近くはないと思うのですが本当に好きな方はとことん遠征までするとのこと。
「身上を潰した」とは違いますが、寺に出入りする職人さんの弟子で競輪一筋にのめり込んでいる方がいます。
その人のキャラは凄いですよ。見かけたらつい雑談に及んでいます。
休みには必ず競輪場へ行っているそうです。静岡だと無料バスが出ているので足代はゼロですが、西は豊橋(競輪場)辺りまでは出向くとのことで、そういう場合は「帰りの電車賃」を相当ケアしながら車券を購入するそうです。
有り金ギリギリのところまで「勝負」しなければ気が済まないようです。
独身であることは知っていましたが貯金はゼロ?、親方へ給料前借りまでして「公営賭場」へ通っているといいますので今時そういう人を探すのは困難なくらい珍しいこと。
拝見するに大抵が昼飯抜きでコーラのみのよう。こんな人がいるのかと、話を聞いた当初は信じられないほどでした。
彼のお楽しみは大当たりした時、現場で見知らぬ気の合った人と寿司屋へ出向き「反省会」を催してできれば大判振舞することだそうです。
本日も豊橋周辺の地名から。
三河安祥・岡崎の国人領主松平家、九代元康(家康)が三河を再平定したあと、この地の実質的騒乱の時代は終わったといってもいいかも知れません。
そしてそれぞれの家が家康配下となって当家を盛り立てて仕舞には天下まで獲ってしまったというその団結力の源となった地でもあります。
家康祖父の清康も一旦は三河平定寸前のところまで行っていたのですがあの「守山崩れ」(こちらも)によりその意思は絶たれ、頓挫してしまったということがその「再平定」たる由縁ですね。
それらの事象以前の三河渥美郡の主役は田原城の戸田宗光(入道して全久 戸田康光の祖父)でその田原城とともに遠州と三河宝飯郡・八名郡からの攻め手の守りとして朝倉川という吉田城近くで豊川と合流する国境の川を見下ろす段丘に彼が築いたのが二連木城です(場所はここ)。前述の豊橋競輪場の目と鼻の先。
昔からその時に目立った木立ちについて地名にする事は一般的でした。ニレの木がランドマークになっていたことを推測できますが、当時ニレとケヤキを分かつ習慣があったのか少々疑問です。
現在は建物が立ち並ぶ住宅街の公園となっていて、要害性は把握できません。ただし吉田城からは多少なりとも上流であり丘の上に建つ城でしたから水害からの利点はあったでしょう。
この戸田家の城にちょっかいを出すかの如く豊川を超えて今橋城(吉田城)を築城したのが牧野古白でした。
直線で2㎞も離れていない距離で、戸田としては腹立たしい事このうえ無かったでしょう。しかし吉田城は二連木城を意識して築城したといいますが、平城でもあり豊川の堀は逆の方向に流れているため「背水の陣」となる不利があったでしょう。
この二つの城は取ったり取られたり、たくさんの勢力が入り混じった地でそのあたり各自御整理いただければと思いますが、元亀二年には武田信玄の侵攻があって徳川方との激戦があった場所でもあります。その際一旦は落城しています。
若き家康の信玄との初対決はやはり一蹴されています。
二連木は見殺し、吉田城に逃げ込んで籠城し、時間稼ぎの様。
その後戦線の伸び切った武田の疑心暗鬼を誘って信玄の撤退を何とか勝ち取っています。
勿論、信玄の背後にあったのは滅ぼした今川と縁戚のある北条ですね。この場所での信玄の長期滞在は厳しいものがあったでしょう。信玄がどんなに急いで甲斐に帰るよりも、小田原から甲斐に攻め込む方が迅速ですから。
信玄の遠征は結構無理があったということがわかります。
戦国最強と言われても周辺各国との外交が下手、四面楚歌状態のようなものだったかも知れません。
いつの時代も外交下手は致命的。戦争を意識するばかりが能ではありません。
今後自衛隊に子供たちが志願しないように動かなくてはなりませんね。お国は外人部隊でも組織しますか?
ああ、うすら寒し。秋の長雨もまた身に凍みる。
コメントをお書きください