たまげたこと数件。というか呆れた事も含めて。
①やっと八月の繁忙期をやり過ごしたと思えばこの天気。
台風の「返し」でしょうか昨日は雨と風。
夕刻から外に出ていましたが激しく降って吹いて、まるで秋を乗り越えて冬になったかと思わんばかりの「寒さ」を体感。
帰宅して本堂に立てかけてあった雨戸がバタバタ倒れているのを見て、やれやれと濡れながら横にして並べました。
修理後、塗装し直して乾かしていたものですが、まさかこんな天気になるとは思っていませんでしたのでそのままにしてありました。
こんなことなら戸袋に収納しておけばよかったと後悔しきり。震えながら家に入って冷蔵庫の作り置きした冷茶に酷く空しさを感じました。
②ニュースでは原油価格が最安値の報。
檀家さんのある方が「原油価格が高くなると儲かる」という、「何とかかんとか」というファンドを購入しているという話を聞いていましたのでそこのところ気にかけていました。
最近の傾向は下落一直線で「成果はまったくダメ」とは聞いていましたが、ここに来て凄い価格変動がありました。
シェールガス潰しのアラブの増産と中国経済の世界の牽引力が退色してきたというのが原因だそうですが、一年前は1バーレルあたり100ドル以上あったものが38ドル代まで急落です。
にもかかわらずガソリン価格が高止まり。
原油が上昇している時は調子よく当然の如く小刻みに値上げをしていたクセに半分以下に値下げしてもアナウンスは「梨-無しのつぶて」。つくづく日本人の「おひとよし」を感じます。
そして原発に依存するという大義も剥落です。電力会社は相当儲かってるでしょうね。永田町の方に「おすそ分け?」と勘繰りたくなねのは下衆の性分?
③境内にじか植えしたブーゲンビレアが今年になって初めてまともに咲いてくれました。越冬はなんとか慣れてくれて昨年あたりは1輪2輪と数えられる程度でした。今年は「まあまあ」自己主張をしてくれたようです。
境内に訪れた参拝の方が、「今年は百日紅がどこでもキレイだね」と仰るので「まさか」と思って聞き返せばこのブーゲンの事でした。
ブーゲンは水分が多いとトゲばかりができて花が咲きにくくなる「砂漠好き」の植栽。今年の夏の暑さはさぞかし満足してくれたことでしょう。
沖縄時代に目にした「門かぶり」ブーゲンを「当家に!」ということでじか植えしてから毎年開花を期待して待っていましたので、とてもうれしい事件でした。
境内の「門かぶり」は日陰になってしまいますのでできるだけ日照が期待できる本堂から離れた東側に植えてあります。画像は数日前のもの。
さて④は本題。
なんと再来年のNHK大河ドラマが決まったとの報がありましたが、表記「おんな城主直虎」です。
「1に戦国、2に女性が主役」というパターンが大河視聴率アップの秘訣とは以前から記していますが今回の発表はまったく意表を衝かれました。
嬉しい誤算でしたが、来年が「真田丸」で「その次は期待できないかも・・・」と内心思っていましたのでまったくのサプライズです。浜松は「家康」の方向で大河を岡崎、駿府と享受しようとしていたものの2015、16とまったく諦めかけていたところまさに大逆転。この数年は浜松周辺に目が離せませんね。
なにより私たちの地元遠州で「井伊谷」のお話です。
井伊家は桜田門外の変の井伊であり、井伊の赤備え、井伊直政、彦根の「ひこにゃん」の井伊ですね。
それらの井伊家の繁栄の基盤を築き井伊家存亡の危機に男顔負けの奮戦をして家を守るべく戦った直虎が主役。直虎とは女家督継承者(城主)が他者に嘗められぬため、自らを鼓舞するための名のりでした。
今川配下の井伊谷の国人井伊家が三河騒乱(桶狭間の件をきっかけに今川から手切れをして岡崎に入った家康)から始まった遠州忩劇(そうげき)の時代にどのようにして生き残ってきたのか、それをどのようにして描いていくのか非常に楽しみになりました。
勿論時代考証も。国人領主井伊家の城、屋敷をどう構成して見せるのか、当時の家中(寄親)、家臣団(寄子)の微妙な関係含めて期待は大いに膨らみます。お願いですからNHKさんはホームドラマ調にしないで史実をしっかり描いて欲しいものです。
はっきり言って「遠州忩劇(そうげき)」と呼ばれる争乱期の遠州は無茶苦茶面白いですよ。
私がブログで記した飯尾・江馬・これも女城主お田鶴の方の曳馬城(他は左側ナビの「ブログ墓・碑・標等」「遠州」を参考にしてください)の件は真っ先にあげられるところでしょうし
直虎が主人公となれば今川氏真のキャラはやはり悪役か間抜け風のどちらかになるでしょうが、推測するに西遠江の国人衆がオンパレード、岡崎・甲斐・今川の三すくみの中、何処に味方するかの駆け引きが見物なのです。
そしてこのストーリーで「絶対的」にと言っていいほど欠かせないエピソードといえば浜岡(御前崎)の新野左馬之助が登場することは間違いなし。
史上はじめて浜岡が大河に登場するというわけです。このお話に触れられないことはありえないでしょう、
この朗報を分かち合いに新野の知り合いの地元歴史家を尋ねようと思います。
また、もしかするとあの「猿」の秀吉がちょい役で登場するという演出も見られるかも知れません。
もし私が演出家でしたらお遊びで出したいですね。
「猿」は小僧の駆けだしの頃、曳馬城飯尾(寄親)の家臣団(寄子)の松下家(今川家臣のそのまた家臣の家)に、奉公に入っていました。今の浜松付近をうろうろしていたということですね。
その後この地での仕事が長続きせず尾張に出向いて信長に拾われたというわけです。
戦国通と自負する皆さん、私はこの「遠州忩劇」(永禄三からはじまって永禄八ころ)こそ戦国だと思っています。
戦国時代を理解し楽しんだりの醍醐味がふんだんに含まれていることから是非に興味を持っていただきたいと思います。
それにしても渋すぎるネタ(「遠州忩劇」)で(それでいて主役は女子 お茶の間にもしっかり溶け込んでいくでしょう)通好み。
~久保田昌希氏『遠州忽劇』考-今川領国崩壊への途-
「忩(忽)劇とは個別の逆心が錯乱へと拡大し、
さらに忩(忽)劇へと広がる」
と国人領主たちの、守護大名より戦国大名化した支配者配下における権利や職域を含めた複雑な関係からのその発端を端的に述べています。
これまでの戦国時代の主流でもあった、京都周辺の出来事(天正期―信長・秀吉が主役)とは一味違う戦国を知ることができましょう。煌びやかな信長や秀吉の出世話に自らを重ねあわせて夢見ることも悪くはありませんが、人間関係のドロドロしたところ、殺して殺される風潮の緊張感、大多数の敗者たちからの勝ち上がりゲームというもに人間そのものを感じることがでます。
重ねて重ねて記しますが「本当の戦国時代」というものをあげるとしたら私はこの『遠州忽劇』の時間、「家康の遠州進出と今川滅亡」がもっともそれらしさを表していて、これまでのどの戦国時代のドラマのメジャー主人公モノより一歩踏み込んだ意気込みも感じますし、かなり面白い提案だと思います。
二年連続の戦国時代もので多少ハシャギ気味、方や真田丸は戦国の最末期ですが今年一度も視聴しなかった日曜のゴールデンタイム、その分張切ってモニターの前に着座したいと思っています。
そのためにも健康には気を付けたいもので、楽しみは命があってこそであるとつくづく思った次第。NHKご担当者様、ありがとうございます。ひょっとしてこの拙ブログ、見ていだいてます?
調子にのりすぎ。小和田先生の後ろ盾も大いに推測できます。
もし願いが叶うならこの「遠州忩劇(そうげき)」の語と久保田先生のそれについての一言をどこかで入れてね。
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