暖かくなって里山は賑やかです。
鳥たちの声は勿論、木々の新芽が吹きだしています。
街を離れることによってさらにその春の演出を感じることができます。
掛川中心部から粟ケ岳南西麓を散策するときは「その事件」の記憶がまだ新しいので、藪のガサガサ音にはつい構えてしまいます。
そういう時はまずはヤマバト・カラス・キジの類で、彼らの場合突然のガサ音のあとにパニックった羽音が聞こえてきますから結果オーライ。
問題はイノシシなのです。
事件とは昨年の12月に倉真で起こりました。
農作業、草刈り中の二人がたて続けに襲われたといいます。
イノシシの猛進とあの牙で足でも払われたらと・・・だいたいの想像はできますが、その時のイノシシは頭と足を噛んで怪我を負わせたとの新聞記事。「倉真 イノシシ ニュース」で検索すればまだ記事は残っているはずです。
頭に喰いつくということは、最初の一撃で転倒したところを尚執拗に人を襲い続けたということですね。結果は「鉄砲で駆除」とありましたので、藪の中でイノシシと間違って撃たれることなども考えてしまいます。本当に怖いのは人間ですからね。
現場は里の畑周辺であり、かなり開けた場所のようです。
にもかかわらずこっそりと作業中の人間の背後から襲うというのはいやはや恐ろしい事件でした。
私の歩く場所と言えば「藪の中の獣道」同然ですからね。
たとえば、誰にも助けを呼べないような深い山城であ奴に襲われでもしたらタダでは済まないでしょうね。
よく、お城ブームといって山歩きをする女子があるといいますが、あの静寂を破るような藪の中の突然のガサ音の恐怖はどう対応しているか不思議です。
おそらくその方たちは観光地的なお城歩き限定なのでしょうね。無理がありましょう。イノシシとサシで勝負できる「おなご」がいればそれは頼もしいことではありますが。
あの「藪の中」に慣れっこになっている私でさえ中腰になって固まってしまうくらいです。
何度かブログでも記していますがやはり最大の恐怖は森の帝王、クマですが、ヘトヘトになって登攀している中、一人だけ。
ぜいぜい息切れしている中、クマよけへの対処無し。
ただその時は「この下りを転げながら逃げよう」というルートは確認しておきます。
まだ一度も試したことはありませんが、クマは下り坂に弱いと聞きますので。
さて先日その地で遭遇し、もしかすると・・・と気持ちが萎えましたが何とか彼を確認、目と目で「双方無害」を挨拶して別れました。当初は藪の中のガサ音に身構えたところ、毛むくじゃらの大きなお尻が目に入って嫌な感じがしましたが当地お馴染みのカモシカでした。
先方様もかなり慌てたようでガサ音も特大。
いつも彼らはそうですが、人に興味があるのかスグには逃げないのです。おとなしい感じはしますが、その時は鼻息を一発たてて最大威嚇。
襲うということは無いでしょうが体重差から彼とは勝負になりっこありませんので、「見逃してもらった」という感。
何よりクマやイノシシでなくて良かった。
イノシシやニホンカモシカ以外の鹿は害獣に指定されていて、自治体によっては捕獲すると報奨金がでるそうですね。
山には鹿とイノシシが溢れているようです。双方増えまくって里に下り、畑作農家を苦しめているとのこと。
伊豆のどちらかでは転居してきた人に鹿一頭プレゼントなどいうところがあるそうですね。
その鹿肉を調理していただいて試食させていただきましたが、やはり私は「鹿」は遠慮したいところです。
さばいていただけるそうですが、何しろ冷蔵庫に入りきる量ではないとのこと。不要です。
山に入る際は、彼らの領域をお邪魔するという気持ちが必要ですね。彼らは里では遠慮しませんが。
共存は難しいようです。
山に入れば罠が・・・③はイノシシの足跡。
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