高校の卒業式も終わって子供たちはこれからの進路に胸を膨らましている頃ですね。中には親許を離れて一人暮らしをする人もいると思いますが、親の方としても色々心配な事ばかり。
子供は親の束縛から離れて意気軒昂、この先のすばらしい未来を夢見て過ごすというのがこの時節でしょう。
田舎から都会へのおのぼりさんにとってその数多の誘惑は大抵が本人のある程度の経験則の延長と自我のコントロールで回避できることの方が多いのですが、親が教えられない子供たちの「まさかの宗教勧誘」というものへの脆弱性を承知していただきたいと思います。
自分の子供に限って「まさか」ではもう遅いですよ。
殺人をも肯定する反社会的集団、祭壇中央に例の死刑囚の顔写真が飾ってあるそうですが、皆さんも知っているあの犯罪組織というべき教団に毎年100人が入団しているというニュースがありました。
当山へ新規に入山される家が年に1~2件あれば・・・という中、驚愕の数値です。
宗教・仏教離れという現象は以前から囁かれていましたが、それだけ仏教に魅力が無いということでしょうね。
私たち寺院主宰者の無努力の結果であることは否定できませんが、やはり皆さん、親たちの日頃の姿勢というものが決定的であることは間違いないところ。
何しろ日頃からその背中を見て育ってきたのですから。
そこで見せていた「背中」とは・・・「無宗教」「死んだらおしまい」感の浸透です。寺への不信や不審の談もあるでしょう・・・
そして「無宗教」は一見「何物にも頼るべきは無い」という自立・直立の「強い父親」の精神。
その姿勢は勇ましく頼もしくもありますが毛沢東やレーニンをも彷彿とさせる国家統制としても使用されました。
「無宗教=自立=頼るモノが無い」である公式は本当は虚実です。日本だけでなく世界中で自立した宗教者は山ほど輩出していますし、以前にも記しましたが、「無宗教は無反省・無感謝」の「傲慢さ」を生む土壌を育む要因となるからです。
何より本来の人間の心は「何かに頼りたい」といった不安と「変な自信」が交錯しつつ外圧に抗い続けてバランスをとっていて、疲れ切りいわば「ペラペラで壊れやすい」のです。
そのうえ何よりもその父親の後ろ姿を見て育った子供たちの宗教観白紙の心は悪意ある他者が「自由に描けるキャンバス」となりうるのです。
若者への勧誘は最初のうちは「ヨガ」の会への誘引からだそう。路上で声を掛けて「まあ1回遊びに来て」と気さくで気軽に・・・。孤独に陥った疲弊した心には絶好のやさしい言葉かけ、心から欲しているものでした。
個々のコミュニケーションが深まって、警戒心が無くなり相手がそのサークルを「日常の一環」とするまでに誘いこんだ時、半年後くらい経ってからとのことですが「A師を尊敬している教団である」ことを明かすそうです。
案外簡単な初期段階なのでした。入信させたら「マインドコントロール」していくというパターンはお決まりの様。
そしてそのコントロールされた人たちがあの殺人をやってのけるというのが凄いところで、これは親鸞さんの言うそれこそが「あるべき業縁」なのでした。
「まさか」では済む問題ではありません。「その時」はあってはならないのですが、対応はその「背中」の見せ方を少々変えていければと思っています。
子を持つ親は直接的目に見える御利益等を期待せず、寺に参ってその親としての謙虚さを表に出しましょう。
それが子のごく普通に成長するという幸福、利益が得られるというわけです。
寂しいかな「普通」ではなくなってしまったのですよ。世は。
以下、あらためまして独り暮らしをする子供たちと送り出す親たちへ、御注進。
①路上で声を掛けてくる輩には下心あり。
②イベント・サークルと人聞きのイイ言葉「ヨガの会」に注意。
③他人にメールアドレス等個人情報を知らせない。
④カンタンに儲かる、人助け、少しだけ・・との言葉は大ウソ。
⑤そして親たちは率先して子たちを引き連れて自家の菩提寺に
参り、御先祖の前で手を合わせ頭を垂れる(親と雖も絶対的に
頭の上がらない対象~坊さんではありません~があることを
知らせる)。
⑥みんな心に問題を抱えて生きている、不安があっても心配事が
あってもそれが人間。
⑦それは普通の事であって特別では無い、みんな同じ。
⑧悩みの相談は特定の人に偏らず複数の意見を聞くこと。
⑨寺は何時でも門を開けています。
⑩父兄様へ、家の宗旨が浄土真宗だったら親鸞さんのやさしそう
な解説書を選んであげてください。
画像は「焼津市立病院」。親しい知人の元へ。
この地区の方は榛原病院からこちらに「紹介」される場合もあれば、イキナリ救急搬送される場合があります。
最近は母親の付き添いで中東遠掛川病院に通っていますが、この辺りの各所どこも閑散のイメージとは真逆、この手の施設は大繁盛です。
平日午前などは駐車場の取り合い、まるで土日祭日のショッピングセンターなみで却って具合が悪くなりそう。
やっぱり病院ほど疲れる場所はありませんね。
あまり関わりたくない場所ではありますが・・・。
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