非科学的なことを大まじめに、数字を直視せず精神論になる…。コレは例の「お・も・て・な・し」のことを言っているそうで「ミステリアスジャパニーズ現象」という新語となりそうな表現がされています。
外国人にはそれはそれは不思議に思う所、大でしょうね。
文化財の修復保護の世界では著名な「小西美術工藝社」の社長デービッド・アトキンソン氏の著書「イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る」の中にあるそうです。私はまだその本を手にした事はありませんが、何しろ日本企業の社長としては異色ということもあって、メディアへの露出度は少なくありませんね。
日本の文化財の保護という観点から物申すというスタンスで、日本の現状についてご指摘いただいております。
その日本のお国のスタンスやどういうものかというと「文化財に充てる国の予算が少ない」ということがあげられるそうです。ちなみに重文・国宝級の建造物は彼の故郷イギリスでは約50万件に対して日本が約2400件。英国とは指定の範囲が比較にならないそうです。英国のその文化財保護という仕事についていわば殆ど一大産業の如くあるとのこと。なるほど、大きな違いは数字だけでもわかります。
ストレートすぎるご指摘は「見る人の満足度が低く、遺産への誇りを持つことができないから、修復に税金を支出することへの抵抗感を招いている」のが我等今の日本人の姿・・・。
見せる者の知識が浅いのでどう見せていいかわからない・・・
度々ブログでも記していますが、明治維新以後の廃仏毀釈によって文化財をバンバンぶち壊して二束三文で売り払った「伝統」が、あたかも生き残っているが如くです。
何より文化財の一つ一つにはその「歴史」がある筈なのにその解説の一つも記されていないということが問題点であると。(「二条城の「大政奉還の間」には人形が新調されているだけで、当時の調度品や解説の類がない」・・・京都新聞)
そして「お・も・て・な・し」なる語の独り歩き。
外国人が見て何の事だかサッパリ・・・とのこと。2014年、訪日旅行者はビザ緩和もあって前年比29.4%増の1,341 万4 千人を喜んでいてはダメ!
変てこな「精神論」で意味不明の事を言って満足しているのはそろそろこれまで。
まともに本当に外国人観光客を増やして、日本の文化財に触れてもらうには、とにかく見せる方の知識と紹介の仕方(演出を含めて)が大切とのこと。彼は、文化財の紹介に、大枚拝観料を徴収しておきながら英文一つ無い「お寒い」現状を指摘していました。
道路やトイレの綺麗さ、笑顔、マナーのいい日本人を売出し文句に使うのは「その次」とのこと。
だいたい、その宣伝文句のベース?だった「財布や携帯電話を落したら必ず返ってくる」などと言う言葉、私も長い間日本に住まわせていただいておりますが、その辺のところ「滅多におめにかかれない」事として承知しておりましたのであの時は首を傾げたものですね。
その変てこな理由をオリンピック招致の名言(迷言)として発したものを、私たち国民が「そうそう」と追認して頷いている姿を見て「根拠なき精神論」とミステリーを感じたのでしょう。
画像①は伊豆屋伝八文化振興財団にいただいた内定書。
本堂の「丸尾月嶂」襖絵修復費用の補助金の支出が確定したとの報せです。心より感謝いたします。ありがとうございました。「伊豆屋伝八」=「伊伝」さんについては以前ブログ、2014.09.27と28で記させていただいた「不去来庵」にて紹介しております。
④⑤駿府伝馬町にある案内板。伊豆屋のあった両替町「銀座」の町割りも見えます。
せめて「英語」の解説は何処に於いても不可欠な時代になったようです。口では「グローバル」なんぞ偉そうに吹聴しているのですからね。
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小山昭治 (木曜日, 12 2月 2015 08:39)
正式に決定して良かったです。金額の大小ではなく
認められたことがいいですね。
あの時の「のぞき」は(好奇心)は偉大でした。
今井一光 (木曜日, 12 2月 2015 20:57)
ありがとうございます。
教員委員会の岡村氏の手配でしたが、いい御縁をいただきました。
この決定で府中(駿府)に赴くことになりましたら再度ご報告いたします。