かつてブログにて「茶や香の徳」について記しましたが、阿弥陀経の一節に「八功徳水」という言葉が出てきます。
8つの功徳とは―甘・冷・軟・軽・清浄・不臭・飲時不損喉(喉を傷めず)・飲已不傷腸(お腹を傷めず)―だそうですが、言われてみればもっともなことですね。
経典によればそれら功徳に満ちた水が浄土の七宝の池に溢れていると。
現在でこそそれらの水の「美味しさ」を味わうことは当たり前で、列挙された8つの功徳を当然の如くに享受している私たちですが、一昔前まではそれらがなかなか得られなかったのでしょうね。
しかし現代は逆に水道水の塩素分に関して、かなり気になりますので当家でも水道水はそのまま使用せずに、フィルターを通しています。
まして井戸水など「飲料に適しません」の烙印を保健所から押されてしまってからは触りもせず、手動ポンプもパッキンが劣化してまったく機能していません。
これまでは災害を意識して、メンテナンスをしていましたがそれすらもしなくなって放置状態です。
今は子どもが落ちやしないかの方が心配です。
数年前に聞きかじった話ですが牧之原の井戸水を飲んだ人が癌になるという噂がありました。各所にある赤や緑に変わった農業用溜池を見てそのように広がったといいますが、その後当局や農協の指導によって農薬・肥料がコントロールされるようになって改善されているといいます。
一時期それらの農薬系のものやら工場排水等が地下水に浸潤した井戸水を飲料水として使用されていた時期が重なっていたのでした。
しかし、もう一旦井戸水に関する不適を指摘されて、「井戸離れ」をした私たちは既に井戸水に頼ることは無くなってしまいました。
さて、「八功徳水」のことを仏教で「閼伽(あか)」と言います。
サンスクリット語で「アカ」は「水」だそうですが、一説に「aqua」と同源ともいいます。
初期の言語というものの発祥が結構限定的特筆的な宗教文化から出て、世界的に流布したのだと思うと面白いですね。
あの近江金森の近隣に「赤野井」(守山市)という町名があります。「閼伽(あか)の井」が古くからの名で「赤野井」と変わったものだそうです。
現代の人の苗字や地名もアテ字から枝分かれしていることが多いのですがその一例です。
私の気持ちとして変えない方が良かったのかと思いますが・・・。今の感覚では「赤い水」のイメージの方が強いです。
ちなみに付近には「赤井」姓が結構多いでね。なかには「阿加井」姓もありました。
こちらには蓮如さんが金森へ逗留前にかなりの頻度で参っています。当然に布教活動を行った場所ですから、親鸞さんの教えが浸透した場所ですね。
当初は初めて「本願寺」を名のった三代覚如さんと息子の在覚さんあたりから始まって、荒廃したのち蓮如さんが訪れるようになってからは六男の蓮淳さんをこの地に置いて寺(顕証寺)をまかせたとのこと。
その寺が今の西本願寺赤野井別院であり、通りの向かいにある東本願寺の別院という形で繋がっています(場所はここ)。
③は井戸越しに見た東別院本堂と⑥⑦東別院内の廟。以下西別院本堂、櫓等。
コメントをお書きください