阿弥陀さん好きであるのは門徒としては当然ですがこちらのお寺の大振りでない(77㎝)御本尊の立ち姿の阿弥陀様はいつかはお会いしたいものと思っていました。
おかげさま、先日、その機会に恵まれました。
京都の「東山」とは、当たり前ですが「西の反対側」ということで日没を見ながら浄土を思う(観想)思想の元、浄土系の寺が多いように感じます。
法然院、知恩院、当流大谷祖廟も真宗本廟も「東山」ですね。
ということで永観堂も浄土宗(西山禅林寺派)です(場所はここ)。
永観堂のその名の通り、お寺の七代目の住持だった永観が一万遍/1日の称名、須弥壇周囲を行道していると、須弥壇から降りてきた阿弥陀様が、驚いて固まっていた永観に振り返るようにして、「永観遅し」と言った、という伝承があります。
よってこの阿弥陀様は正面を向いていず横向きになっています。その名は通称「見かえり阿弥陀」です(平安末から鎌倉初期)。
スレンダーな立ち姿はオーソドックスながら顔の向きが「あっち向いてホイ」で何とも変わっています。
京都観光として永観堂は秋の紅葉をお目当てにされる方が多いようですが、紅葉にはちょいとまだ早かったようですね。
この阿弥陀様をありがたく拝見させていただきました。
尚、阿弥陀様は撮影不可でしたので、永観堂HPよりお借りしました。⑨⑩
阿弥陀堂⑧は豊臣秀頼の命で大坂四天王寺の曼荼羅堂を移築した御堂だそうです。極楽浄土の荘厳を表現したという彩色は他には見られないものがあります。
③は永観堂の門を潜ってスグの「今月のみかえり」と呼ばれる法語「南無三法」です。当流でいえば正信偈トップページ(裏表紙)にある「三帰依文」でしょう。
見かえり阿弥陀さんや紅葉よりも特に有名な国宝の絹本着色山越阿弥陀図があることでも知られています~下図。
横を向いている阿弥陀さんに我々は何を受け取ればよいかといえば、それは衆生を導き把握するリーダー的包容力といいますが以下の事が記されていました。
①遅れ来る者たちを待つ姿勢
②自身の位置をかえりみる姿勢
③他者に愛や情けをかける姿勢
④思いやり深く周囲をみつめる姿勢
「周囲を見てかつ自分自身を見つめ直す」その謙虚な姿勢こそ私たちが学ぶべき態度でした。
台風18号のスピードが上がり、今晩は月が見られるかも知れません。
牧之原市は6時35分に一部避難勧告を出していますが私は朝8時より御前崎市内に出仕します。当地最接近時間ですね。
長くいればそういうこともありましょう。
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