真宗本廟(東本願寺)には「阿弥陀堂」と「御影堂」の二つの御堂がそびえています。
阿弥陀堂はその名の通り、御本尊の阿弥陀如来を安置しています。
真宗寺院の形式の御堂はすべて「阿弥陀堂」ということになりますね。よって拙寺本堂も「阿弥陀堂」です。
しかし、本山やそれにならった「本山形式」の寺となると宗祖・親鸞聖人の「御真影」を安置する「御影堂」が建てられることになります。
ここで蛇足ですが「どっちの御堂が大切か」論なども発生して参拝の順番、帰敬式等の場所(現在は御影堂)について等、「どうして良いのか」悩む方も出ている様ですが、私は「どっちでもイイ」に一票です。
それぞれ重軽、理由はありましょうが自分の「気が向いた方から」お参りすればよろしいかと。
どちらにせよ現在、阿弥陀堂は工事中ですが。
先日の光徳寺さんの拝観を終えたあとのこと。
祖父江省念師の節談説教、「源兵衛の生首」の物語中で、三井寺に預けていた「ごしんねい」について語られるわけなのですが、おそらく皆様方、こちらで耳にする「ごしんねい」について、聞いただけでは何の事だかわからない方もいらっしゃるのではと・・・
余計な事とは思いつつ念のためご説明させていただきましたが、やはり案の定、「ごしんねい」が何の事が判らずにその言葉を聞いていた方が多かったようですね。
この「ごしんねい」が「御真影」です。
親鸞聖人亡き後、聖人を慕う方々が聖人の面影を木彫した「御真影」を聖人の墳墓の地に御堂を建てて安置し、廟堂としました。そもそもの「本願寺」の始まりです。
一休さんの親鸞聖人について詠んだといわれる
「襟巻の あたたかそうな黒坊主 こやつが法は 天下一なり」
の「黒坊主」は黒漆で塗られた「御真影」だったわけです。
「御真影」の大きさは殆ど実物大に近く、遷座式など(YouTubeに有り)、輿に載せられた「御真影」は4人がかりで担いでいます。
蓮如さんを引っ捕まえて殺そうとする比叡の山法師から逃げ廻るにあたり、この「御真影」を担いで逃げるわけにもいかず、止む無く三井寺に預けなくてはならなかったこと、そして本山として再興するために絶対必要不可欠な「ステータスシンボル」であったことを付け加えてお話させていただきました。
画像は真宗本廟「御真影」と御影堂工事中の際の図。
現在は「白いパッケージ」がスライドして手前側の阿弥陀堂を覆っています。
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