土地神話が崩れてしばし年月が経過。
「一所懸命」に気張ってこの地で生涯を送りたいと思っていれば、気まぐれな地球史の繰り返しの一端をたまたま目の当たりにして、多くの「希望」という類の心がたちまちに消え失せ、そのことに改めて現実の厳しさを感じているところです。
意気消沈と一言で言えばそれまでですが、それらに関連する皆さんのがっかり感もその立場によってそれぞれながら、数えれば枚挙にいとまが無いというのが実情。
そういう溜息まじりの中、私には「そんなことは忘れちゃって楽しく暮らそう」「その時はその時!!」という超楽観も持ち合わせているため、ただ時として諸事情を傍観しているだけの体でもありますが、今般新聞報道の通り、今年1月1日時点の静岡県内公示地価の発表を見て、現実に引き戻されたところです。
何と下落率全国ワースト10に県内で4地点が登場していました。
内陸系の藤枝や都市部の沿岸域から離れた地点の上昇はあるようですが、酷いのは当地牧之原、吉田、焼津、磐田など150号線沿線です。
地価下落が顕著であるということは、「不人気地であって人が寄りつかない場所」と断ぜられても仕方ないのですが、右肩下がりの人口と地域の閑散を少しでも賑やかにしたいと踏ん張っている各方面の方々に鞭をくれられたような「現実」です。
150号線より海岸側では土地取引は殆ど無くなったそうです。
ワースト4の共通点は海岸に近いということもありますが、他にも「なるほどな」と思わせるところが・・・
地名ですね。地名というものは歴史を言い表すこともあります。
下落率1位~4位
①磐田市駒場流作新田 -10.1%
②吉田町川尻浜河原 -9.1%
③焼津市石津湊町 -9.1%
④焼津市浜当目 -9.0%
①「流」②「川」「浜」③「津」「湊」④「浜」
すべて「水系」の字が使われていますね。④などはかの有名な「大崩海岸」と呼ばれる地です。
ちなみに私の住む所は「波津」(はづ)と言います。
既述の通り、大澤寺の遠州の始まりは菊川からですが、そちらから相良の大沢の山の上→新町→波津です。
とりつかれたように海に近づいてきた歴史があります。
450年前から御先祖さんがそうやって苦労しながら当地にやってきたという歴史がある中、今更私などの文句の付けようはありませんが、ここへ来て自分の代で寺の逸失まで頭の隅に入れておかなくてはならない状況に迫られるというのは何とも「がっかり」な話ではあります。
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