「ナギ」(梛)と頼朝の配流先 蛭ケ小島

以前当山の梛(ナギ)の木について記しました。

そろそろ剪定したいとは思うものの昨秋は種子を付けなかったため、あと1年待つことにしています。

 

 神社仏閣に訪れる機会が多いせいか、この木を見かける頻度は高いものがあります。

この木を意識するようになったのは静岡に転居してからですが、元々熊野信仰の神木としてあったといいますから、紀伊半島から北上したと見え、箱根・湘南辺りが北限で暖地好みの木だといえます。ということで関東在籍の長い私がこの木に出遭うということはそうなかったでしょう。

 

 当山の梛は7~8m程度のものですが、私の知っているもので、三河牛久保(豊川)の熊野神社(場所はここ)の梛は高さ20m、幹回り3.5m、推定樹齢400年の大木(雄株)があります

神社等ではまず雌株と対になってありますので秋には実をつけるとのこと。

 当山の梛(雌株)が実生しないのは①切り過ぎて花の咲きが悪い②近くに雄株が無くなったという理由が考えられます。

今年ダメだったら何処かで実を拾ってくればいいのですが。(しかし発芽は難しかった思い出があります)

 

 さて「梛」といえば頼朝夫婦のエピソード。

若き日の源頼朝と平氏側の北条政子との「お約束」。

梛が雌雄一対で「片方を欠くことはありえない」という点も男と女の仲睦まじきことの譬えとも云われていますね(その他の言い伝えは前述ブログにて)。

 

 その頼朝が配流された地が伊豆の韮山(伊豆の国市)、蛭ケ小島。実際のところ現地はその「推定値」ですね

その名からは蛭がうじゃうじゃ居そうな湿地帯に浮かぶ小さな島?のイメージでまさに罪人の流刑地として相応しい場所の様な感じ(場所はここ)。

ただし実際に頼朝と政子の逢瀬は熱海の伊豆山権現といいますのでこちらからはかなりの距離があります。

あの山中険しい道をここ韮山から双方申し合わせて度々落ち合うなどということはちょっとばかり無理でしょ?

いくら仲が良くても想像を超えますね。

 

 画像①②③が牛久保熊野神社の梛。他が伊豆蛭ケ小島。