つまるところ「人」が一番恐い

私めが趣向「人の居ない山城」の散歩について・・・、そのような場所はどちらの地でもそう珍しいものではありません。

どこかしら各地に点在していますので、郷土の歴史、また山深く放置されたままの自然の中に埋もれた遺物を肌で感じながら歩き、うまい空気を味わってかつ各人の健脚を誇っていただければと思います。

 

 かつて厳冬期の岩村城での凍結路面には我が身の浅はかさに反省させられましたが、秋から冬にかけての山歩きは最高です。

気合いの入った山登りとは違ってお気軽さが漂いますが、場所によっては案外気を抜くことができない場面がありますね。

夏は樹木繁茂のため遺構も確認しにくいというところがありますが、軽装で動きやすくて、山歩きは気持ちのいいものです。

 

またこの時期は酷暑と違い、天候は安定して心地よい空気に覆われますが、そのような中、注意を喚起する看板が目をひきます。

 

 ①蜂にも色々な種類がありますが、地面の巣を踏みつけるといった不運、蜂を手で払ったりしなければまずは大丈夫ですね。

②③マムシに関しては幸運にも出くわしたことはありませんが踏みつけないよう、また休憩して山道にへたり込む時は注意します。

④サルは山の中に居る群れは人間を避けてくれますのでそう心配することはありません。

問題は人間に餌をもらったことのある個体です。

先日静岡県庁付近で大捕り物がありましたが、その手のサルは凶暴化しますのでタチが悪いのです。

⑤東名高速の浜名湖を超えたあたりから見かける鹿注意の看板ですが、飛び出す野生動物をどう回避するのか果たして疑問です。

「しょうがない」で済ませられない恐ろしさがありますね。

「鹿なんて・・・」とお思いの方もいらっしゃると思いますがこの鹿に関しては静岡県内山間部ではかなり高確率で遭遇しますよ。

ちょっとした民家のある裏山でもザラに居ます。

 ⑥のニホンカモシカは子供でしょうか小さな個体で圧迫感はありませんが、以前もっと至近距離で突然出くわした時のものは大きくて思わず固まってしまいました。

 

 彼らの場合、単独での行動が多いようで、遠ざかりつつ止まって振り返るという余裕を見せてくれますが、以前近江の鎌刃城で出くわしたニホンジカは4~5頭の群れで、人を見た途端脱兎の如く走り出すのでこちらの方も何が起こったのかと一瞬怖気づくほどでした。

 イノシシは子供連れが山中逃げ回る姿を見かけたことがありますが、テレビ等で見るそれはかなり凶暴そうですので、突然の遭遇だけは遠慮したいですね。特にキバを持ったヤツ。

 

 山歩きをしていて一番出遭いたくない獣はコレ。

⑦のツキノワグマ注意や⑧クマ出没注意という看板にはいやはややる気が失せますね。

それらしき獣系の臭い(フン)から「いるのかな」という連想をしたことがありますが、今まで幸いにも出っくわす事はありませんでした。

 彼らの場合は、彼らの方でも人と出くわしたくないと思っていますので、できるだけ連れの者が居たのなら疲れたからと無口にならず、デカい声で話し続けるなど山の中での「存在感」を表すことで「森の大者」との接近遭遇というアクシデントの確率は低くなるそうです。鈴やラジオがいいそうですね。

 

 ⑨そして忘れていけないものはやはり人の心でしょう。

「慢心とうっかり」で段差を踏み外したり、崖等から滑落するという最悪の結果が常に隠れています。

急傾斜地の下りは木の根が罠の様な形状になって顔をのぞかしていますので要注意ですね。

 

 ⑩しかし何と言ってもこの時期最大の恐怖はコレです。

山中で猟銃を担いで犬を連れた人とすれ違ったことがありますが、いつ獣と間違えられてアレをぶっ放されるか相当警戒していなくてはなりません。

 自分のミスも重大事案に繋がりますがその手の「人のミス」を誘発させないためにも、対クマ対策だけでなく森の中で存在をアピールすることは大切なことなのです。

 

 結局どこに行っても「うっかり慌て者の」自分を含めた人間そのものの性質の欠点を警戒していなくてはならないのです。喧騒の都会も閑静の田舎も。