「兵は拙速を尊ぶ」  金ヶ崎城

孫子の兵法正正の旗、堂堂の陣」に続き「拙速」について。

拙速の「拙」は「つたない まずい 下手 具合が悪い 能力が劣っている」の意ですので「拙速」は「速いがまずい」という事。

庶民の味に「はやい安いうまい」の三拍子を売りにした食べ物-牛丼-があったことが思い浮かびます。「まずいがはやい」ではダメなのですね。

  

 「拙速」、この言葉はまず大抵はいい意味では使われません。

往々にしてその対応の速さが失敗につながった時に使われるものですから。

しかしこと「勝つか負けるか」の決着をつけるには少々下手クソで周りから見て決して褒められた形になってはいなくても「スピード感こそ命」ということが孫子の兵法「兵は拙速を尊ぶ」です。

 

孫子のその意は、がさつにずけずけと物を云い無遠慮に、他人様のペースに合わすことなくさっさと事にあたろうとする私にとってことのほか耳に優しく嬉しい言葉ですね。

意外とも思われるかも知れませんが「まずいがはやい」という攻撃的なスピード重視の行動は兵法では尊ばれるのです。

現代社会にその兵法を持ち込んでそのことばかりウェイトを大にして仕事や対人関係に生かしていくというのはどうかと思いますが案外「その生き方」に多少なりとも頷ける場面が結構ありますね。

 

 その言葉の通りに動けていたらもう少し変わっていただろうと思う代表といえばやはりあの朝倉義景です。

七転八倒の人生を省みるよりとりあえず「遮二無二」前へ出て欲しかったですね。

愚鈍の人との評価はあまりにも可哀そうですがそれも戦国の世の流れです。

画像は金ケ崎城(場所はここ)址石標、そして城の北端、敦賀湾が真下に覗えます。