いーらで開催された「女性団体連絡協議会」主催の『男と女のフォーラム』へ。会長の今野さんがいつも同様、活発に動き廻っていました。
「男と女」は古いフランス映画を思い出しますがここでは「ひととひと」と読みます。講師は野村彰男氏でした。相良本通り波津の出身でこの方のご活躍についてはテレビ・新聞等で含め御承知の通り・・・。小生は時折お会いする機会はございましたがこういったチャンスは滅多にないことと山を上がりました。国内外から幅広い視点で日本という国を見てきた野村さんの提言です。今までの日本人の在り方とこれからの我々のあるべき姿をソフトにわかり易く喩えを入れてお話していました。
状況判断ができずにぬるま湯につかり漫然と胡坐をかき滅びていくという(師はそのような強い口調ではありませんでしたが)「茹でガエル」の比喩です。茹でガエルは「危機意識の欠如」を譬え、私たちが覚醒して変化することを促す警鐘です。
世の変化にあわせて変化できない自己を変えることを言います。
(ここでは煮えたぎる前に今居座る鍋から脱出すること、ですが・・・)
師は早くこの状態に「気づくこと」を言及されていましたしこの我が国の凋落ムードは一貫して、歯止めをかけることができるのだという強い気持ちをお話されておられました。
しかしこの変化への対応は私にはなかなか一筋縄ではいかないように思います。師が投げてしまうべきでは無いともおっしゃっておりましたがこれは今の「政治」の在り方(1年も満たないのに総理大臣をコロコロ代えるバカバカしさ、~国際的恥辱等々)について、もっと有権者として納税者として発言していく努力を惜しむべきでないと・・・。これらは大きな声をまとめていく力が必要です。なかなか難しいことです。
それにやはり「公」=「オフィシャル」(パブリックに対する・・・師の言葉より)の概念には「もううんざりだ」というなかば投げやりな気持ちが己のこころの中に蔓延しその脱力感につながってしまっているからです。また、私にはここで経済主導の国の在り方やGDP指標等マネーを主軸にした他者比較論から距離をおいてそのスタンスを一旦、立ち止まってから見直していくことがあってもいいかと思っています。
真宗中興の祖蓮如上人はいわば「公に反目するな、黙ろう」ぐらいなことを御文(※)で伝えていますが当時は土一揆・一向一揆によって民の意見は実力行使で上に通すことができました。そういう地盤(変えることができた)があっての抑止の意味も含まれていたのです。
野村さんは「どんどん発言しなさい」といいます。これは逆に室町時代とは違って今の世の日本人の発言力が無くなって(「インド人を黙らせ日本人に話させれば会議は成功」の比喩)停滞ムードに覆われて何も動くことができない変えられないという現状をふまえてそうおっしゃっていられると。
それを打開するには・・・
それには女性の発言力をあげること。「マディソン郡・・・」でも記させていただきましたが「日常の些事におわれている」だけではなく「夢」を追いかけてもいいと思います。われら「なさけない男ども」も思考を変えてここは強引にでもいいのでとりあえずは40-60 ゆくゆく50-50くらいのすべての場所での女性進出を進めるべきだと。
それには自らを切り捨てでも女性の進出を図るべきでしょう。
歴史的な暗黙の慣例である「男尊女卑」の考えがいまだ残っているとしたら(それは男社会の自己保全、自分だけは守りたいという「自分教」の社会として厳然と今だ残っています)その脳内は化石に近いものがあります。
もっともその化石は徐々に消滅の憂き目をみることが自然なのですが・・・
価値ある日曜の午後でした。
※御文 三帖の十三
・・・こころうべき次第は、まづほかには王法~おうぼう~を本とし、
諸神・諸仏・菩薩をかろしめず、また諸宗・諸法を謗ぜず、
国ところにあらば守護・地頭にむきては疎略なく、かぎりある年貢所当をつぶさに沙汰をいたし、そのほか仁義をもつて本とし・・・
当時の民衆のパワーと蓮如さんの今の逆の危惧を感じます。
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小山昭治 (月曜日, 20 2月 2012 08:52)
残念ながら、私は野村さんの講演に行けませんでした。
妻から大まかなことは聞きましたが(全部ではありませんが・・)
大勢の皆さんが聞いてくれたようでよかったです。
私は、女性が男女平等、社会への進出などと言うのは
あまり賛成ではありません。
くどくど言いたくありませんが
今の風潮は女性の進出が やたら
いいのだという思いだけで
男としての、女としての役割を
おろそかにしていると思います。
女性が夜遅くまで趣味や運動に出て
帰りは一杯飲む。その前にすることがあるでしょう。
腹立たしいこと限りなし。
はき違えている女性に対してですが。
今井一光 (月曜日, 20 2月 2012 12:41)
ありがとうございます。
私の短絡的意見(50-50の様)で「女性進出」ありきということが誤解を招きましたら申し訳ございません。
この世の今の閉塞感の打開策として「主婦の知恵」の拝借も選択肢にあるとお考えいただければ・・・
また会の趣旨が「男も女」=「ひととひと」とありました通り
「男と女のように性別はあまり区切りたくないのだが世界的に見て日本人が発言しないことは判っているが特に日本の女性たちの声が聞こえてこない。 やはり女性だからという理由での<控えめで清楚>を良しとせず、家事に埋没することなく、分け隔てなく普通に自己主張してくださいよ」というようなことかと思います。だれもが同じ土俵に上がれるように。